全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は来月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。“21世紀の駅伝王者”の異名を持つコニカミノルタが、旭化成とトヨタ自動車の2強に挑戦する。

01年以降優勝8回と、旭化成の24回に次ぐ優勝回数を誇るが、14年大会が最後の優勝だ。11月の東日本予選を制したコニカミノルタが菊地賢人(29)、蜂須賀源(25)の2人のエースを軸に6年ぶりの優勝を狙う。

東日本予選はコニカミノルタの注文通りの展開になった。1区は区間14位だったがトップとは18秒、距離にして約100メートル差にとどめて2区につないだ。2区の外国人区間で6位に上がると、3区のエース区間(16.5キロ)で菊地が区間2位の快走を見せて2位に浮上。4区(9.5キロ)の蜂須賀でトップに立ち、続く5区の山本浩之(33)が区間賞で差を広げて逃げ切った。磯松大輔監督(46)は「完璧な状態ではないなかで勝てた。ニューイヤー駅伝につながる勝利」と評価した。

菊地がたくましさを増したことが大きかった。東日本予選後には「入社して初めてのエース区間。ニューイヤー駅伝につながる走りができた」と話し、本番に向けて手応えを得た。

磯松監督も自社サイトのニューイヤー駅伝特集ページで、菊地の名前を挙げている。「彼をどの区間に置けるかが、結果に直結するでしょう。今シーズンからキャプテンにもなり、駅伝への思い入れも相当強いので、彼の走りに注目してください」。

ニューイヤー駅伝は4区が最長区間の22.4キロだ。これまで菊地は、4区よりもスピードが求められる3区での起用が多かったが、今回は4区で起用される可能性もある。

もう1人の4区候補が、前回大会で4区を経験した(区間7位)の蜂須賀だ。2月に故障をして5カ月間のブランクが生じたが、12月1日の甲佐10マイル(約16キロ)では市田宏(27=旭化成)に10秒差の2位と調子を上げてきた。

ベテランの山本も主要区間の3~5区で区間上位が期待できる。9月のMGCでは12位だったが、1カ月半後の東日本予選では前述のように区間賞の快走を見せた。粘りの走りが特徴だが、1万メートルも27分台のスピードを持つ。

磯松監督は「3~5区は(2強と比べても)遜色ない」と自信を持っている。

加えて山本も含めたベテラン陣が充実していることが、今のコニカミノルタの強さだろう。13年と14年の2連覇達成時に4区を走った宇賀地強(32)は、コーチ兼任になったが調子が良く、「本人は走りでチームに貢献したい、と言っています」(磯松監督)と本番での起用の可能性もある。31歳の野口拓也も、東日本予選のアンカー区間を2位で走るなど衰えは感じさせない。

ニューイヤー駅伝ではここ3年1区での出遅れが結果に影響している(17年=28位、18年=24位、19年=31位)。ベテラン勢に3区および5区を任せられるるほど好調なら、蜂須賀か山本を1区に起用する区間配置で前半の出遅れを無くすことも出来る。

菊地、蜂須賀のエース2人の成長とベテラン勢の充実。コニカミノルタが駅伝王者に返り咲く態勢が整ってきた。