学法石川(福島)は男女全員が区間賞を独占し5年連続の男女アベックVに輝いた。男子1区では高校1年5000メートル歴代2位の記録を持つ山口智規(2年)が、区間記録を17秒更新する29分10秒と好走し優勝に導いた。12月20日に京都・都大路で行われる全国高校駅伝に出場する。

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男子・県10連覇へ、エース山口が1区10キロを力強く走り切った。スタートから勢い良く飛び出し、先頭集団を引っ張る。1キロ3分を切るハイペースでレースを支配し、残り5キロ地点からは、並走する田村・生田目惇(3年)との一騎打ちに。曲がり角で、さらに相手の呼吸が乱れた時にペースを上げる強弱をつけた走りで突き放し2位に37秒差をつけてタスキをつないだ。チームはそのまま1位を譲らずにフィニッシュ。2時間5分21秒のタイムで、10年連続12度目の全国切符を手にした。

山口は昨年、1年生で都大路の2区(3キロ)を走り区間8位。今年はさらなる飛躍を目指していたが、3月に左足を疲労骨折した影響で、県総体や県選手権に出場できなかった。山口は「周りの活躍が悔しかった。逆に冬に活躍してやるぞという反骨心で頑張れた」と、短期集中で練習に励む。復帰舞台ではエース区間の1区を任され、見事24年前の大会記録を上回った。松田和宏監督(46)は1区起用の理由を「山口しか全国を経験していない。10連覇のプレッシャーを考えて、打ち勝てるように」と信頼は揺るぎない。

都大路では一昨年3位、昨年5位と「学石(がくせき)旋風」を巻き起こした。昨年を経験した2年生エースは「チームの目標は都大路優勝。去年1区を走った松山(和希=東洋大1年)先輩のようにエースの存在になれるように頑張りたい」。福島県勢最高成績は2位。故障を乗り越えた新エースが、初優勝に導く。【相沢孔志】