亡き友を思い、箱根路を駆け抜けた。法大の選手たちは、昨年8月13日に亡くなった高橋彰太さん(享年19、宮城・東北高出身)への思いを込め、左腰付近に喪章をつけてレースに臨んだ。9区を走った高校の先輩でもある稲毛崇斗(4年=東北)は区間6位の好走。「自分の力が出せた。彰太に『ありがとう』と伝えたい」と感謝した。チームは総合6位。天国の彰太さんへ来年のシード権をささげた。

 

彰太さんはチームのムードメーカーだった。稲毛は「本当におもしろいやつでした。僕も一応先輩なんですけど、同期のように接していましたし、彰太の方も接してくれていた。本当に仲が良かったと思います」。高校の頃から先輩後輩の垣根を越えて仲が良かった。大学3年時には彰太さんと同部屋になった。彰太さんはよく歌っていたという。「けっこう歌っていて、にぎやかなやつでした。彰太のことを嫌いなやつはいないんじゃないかっていうくらい、いいやつだった」。

彰太さんは高校3年時の宮城県高校総体男子1500メートルで3分52秒53(当時の自己ベスト)をマークし優勝。稲毛も「強かったですね」と笑顔で語るように、将来有望な選手だった。法大に進学し、坪田智夫監督も「意志の強さがあった。チームのエース級、主力になり得るなと思っていた」と大きな期待を寄せていたが、急逝。8月の夏合宿中に彰太さんの父から、彰太さんが亡くなったという連絡を受けた。稲毛は「本当にショックで、練習どころじゃなかった」。それほどに急な知らせだった。

だが1週間ほどして、「『彰太のために目標を達成したい』という思いが、チームとしても個人としても段々強くなった」。「彰太のために」という思いのもと、チームが一致団結。今大会では、昨年から順位を一つ上げ、3年連続のシード権をつかんだ。

この結果を彰太さんに伝えにいく。稲毛は「『箱根、良い結果だったよ。ちゃんと走れたよ』と伝えたい」。ともに走った箱根路を、彰太さんと振り返る。【濱本神威】

【箱根駅伝】全チーム、全区間個人成績一覧

23校全選手一覧、箱根駅伝特集ページはこちら>>