<全国高校バスケット選抜優勝大会:福岡第一85-51沼津中央>◇男子準々決勝◇27日◇東京体育館

 沼津中央(静岡)の快進撃が終わった。昨年準優勝の福岡第一(福岡)と対戦し、51-85で完敗した。2戦連続50得点超えのシェリフ・ソウ(2年)が相手の厳しいマークに苦戦。さらに連戦で疲労を蓄積させた選手たちに、県勢初の4強進出を遂げる余力は残されていなかった。それでも2年生中心で主力は来年も健在。この悔しさは忘れない。

 勢いだけで勝てるほど、甘くなかった。時間を追うごとに点差は開き、杉村敏英監督(61)は第4クオーター残り1分41秒、得点源のシェリフを今大会初めてベンチに下げた。序盤から徹底マークに遭い、ボールが集まっていなかった。連戦で体力は限界に達しながらも37点をマーク。だが最後はやみくもに狙う3点シュートがことごとく外れた。シェリフの交代とともに沼津中央の快進撃は幕を閉じた。

 試合後、涙を流す選手たちに同監督は冷静に言葉を投げかけた。「この(メーン)コートに立つのは1年早い。この負けで分かっただろう?

 練習で戦えなければ試合で戦えない。明日から変われなければ意味がない」。2回戦で昨年王者の明成(宮城)を撃破。シェリフの大活躍もあって、2年生中心の若いチームは勢いに乗った。しかし、連戦で疲労は日増しに色濃くなる一方。ワンマンチームに強豪から勝ち続ける余力は残されていなかった。

 幸いこの下級生チームは来年も戦うことができる。チームの司令塔・川口颯(2年)は「負けたことを次に生かしたい」。夏の総体と今大会で全国に通用することはもう分かった。ならば、さらに中央へ-。この敗戦が次の目標を明確にした。【栗田成芳】