<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手97-59中村学園女>◇決勝◇28日◇東京体育館

 

 女子の札幌山の手(北海道)が中村学園女(福岡)に完勝し、高校総体、国体との「3冠」を達成した。身長180センチの長岡萌映子(2年)が50点をマーク、1試合の個人得点としては大会史上2位、決勝では最多記録となった。世代別日本代表としても活躍しており、これでフル代表候補入りにも近づいた。

 長岡が大器らしさを存分に発揮した。長身を生かしてリバウンドを連取し、次々とシュートを決めた。相手はファウルでしか止められず、フリースローも10回中7回成功。89年大会2回戦で加藤貴子(富岡)がマークした51得点の最多記録には、惜しくも及ばなかったが、決勝では歴代最多の50点をたたき出した。

 これには本人も「びっくり」。北海道の新人戦では58点を決めたことがあるが、「この大会の50点の方が価値がある」と素直に喜んだ。普段は辛口の上島正光コーチ(67)も「リバウンドとボールへの執着心がよかった。予想以上の働き」とべた褒めだ。

 昨年は桜花学園(愛知)との準決勝で、現JXの渡嘉敷来夢とマッチアップし、46-82と惨敗。その日に7時間ものミーティングを行った。この日の3冠達成で、1年前の悔しさを晴らした形だ。加藤も渡嘉敷も、高校時代に日本代表候補になった。長岡は既にU-18など世代別代表を経験し、フル代表の中川文一監督(63)からも注目されている。今大会の活躍で、来年の代表候補入りも現実味を帯びてきた。【岡田美奈】