どーもです。今日紹介するのはPRGRのニューモデル「CarrysQ」シリーズです。“窮地”から脱出することから「Q」シリーズとオヤジギャグのようなネーミングですが、実際には大真面目なお助けクラブ。ニューモデルのコンセプトは“窮地をキャリーで超える”となっています。先代はFW&UTタイプの両者の試打でしたが、今回はUTタイプのみとなってしまいました。これは完全にボクの手配ミス(汗)。FWタイプは次の機会ということで、今回はUTタイプの「Q4」を紹介します。では、いってみましょう。


まずは見た目から。


「Q18」UTと同じコンセプトでも、そのアクセス方法が全く違うと感じさせます。「Q18」UTは丸形ソールでしたが、今回の「G4」はUTらしい形状でした。また接地面を減らすことで抜けの良さを目指した前作に対して、新作は滑らせることで目指しているようです。

フェースはシャロー。前作は極端な三角形でしたが、新作はぼくごく一般的な形状になっていました。

ボディはちょっと特殊かな。先代はシャローで、ある程度厚みが確保されたイメージでしたが、新作はややファットで、一般的なモデルと比較しても気持ちディープ。抜けを意識してなのか、セミハイバックに感じました。

後ろ姿は唯一無二!! クラウンのトゥ&ヒールが凹んでいました。どんな効果があるのでしょうか?

構えてみるとこんな感じ。クラウンの凹みの影響で独特な見た目になっていました。昔のドライバーで、同じようなラインを入れていたモデルがありましたが、実際には凹んでいなかったですからね…。打感を損ないそうな感じがありますが、それ以上の実利があればOKですかね。同社の割り切りを感じますが、果たしてその通りなのでしょうか?

今回試打したのは、オリジナルシャフト「Q」REG装着モデルのQ4。スペックは、ロフト角20度、ライ角59度、長さ39.5インチ、総重量342g、バランスD0。ヘッド体積121cm3。シャフトスペックは、重量47g、トルク4.7、中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用です。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。グリップも気持ち細めですが、まあ、これは許容範囲内でした。シャフトを手でしならせてみると、硬さ的にはSRフレックスイメージかな。しなりポイントはほぼ真ん中。ワッグルしてみると、ヘッドはそこそこ動きます。素振りしてみると、まあ、違和感なく振れるイメージでした。


実際に打ってみると、本来なら窮地を救ってくれる「Q」のはずなので、扱いやすいモデルを想像しちゃいますよね。でも、ボクにとって、それは当てはまりませんでした。実は「Q」シリーズも実際のラウンドで使用した際に、軽いからかトップを連発しちゃいました。今回のレンジ試打ではトップこそなかったけど、1発目がカット気味に入ったのかスライス。でも、2球目はまずまずのショットで、3球目はややカット気味だったけど程よくつかまったイメージでした。でも、弾道が低めでした。つまり、バラバラでした…(涙)。ボクのスイングが悪いと思うけど、まあ、言い訳すれば軽すぎかなって。おそらく、振り回してはいけないクラブですね。ボク的には振り回そうなんてこれっぽちも思っていまいけど、結果的に振り回せちゃうし、意に反して手元で操作できちゃう感じでした。とはいえ、基本性能的にはオートマチックに球が上がるモデルです。先代には20度の設定がなかったので、単純比較はできませんが、払い打ち系ゴルファーにとっては、間違いなく窮地を救ってくれるモデルだと思います。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら

【3球平均】

HS40.4m/s、初速54.1m/s、打ち出し角14.0度、バックスピン量4060.1rpm、サイドスピン-227.1rpm、飛距離200.2y

【ベスト】

HS39.9m/s、初速53.5m/s、打ち出し角15.1度、バックスピン量3642.7rpm、サイドスピン-418.1rpm、飛距離202.2y


打感はやや柔らかめかな。ソリッド系でもいいのですが、やや柔らかさが勝っているようなイメージでした。音は「Q」シリーズ同様パシュッといったキレのいい音でした。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータがこちら

弾道的には高めの中弾道。普段のスイングで打っても球は上がりやすいのですが、つかまりがよさそうなイメージだったので、ボク的にはカット気味で打ってやると、スピン量も適当かつ球がより上がりやすいイメージでした。


出球傾向ですが、ややアウトサイドインのカット打ちをイメージしてストレートから軽いドロー系でした。つかまりはかなりよさそうでしたね。


シャフトフィーリングですが、素直に中間がしなるイメージでした。軽量シャフトのわりにはそこそこのしっかり感がありましたね。トルク的には数値のわりには若干ねじれ感というか、インパクトでややズッシリする感じがちょっと気になったかな。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40m/s±2m/s辺りにオススメ。間違いなくアマチュアゴルファーの窮地を救ってくれるモデルのはずですが、全てのゴルファーを網羅できるクラブは存在しません。払い打ち系のスライサーにとって窮地を救ってくれる究極のクラブかもしれませんが、インサイドアウト系アオリ打ちのボクにとっては、ちょっと合わないかな…って。先代「Q」シリーズに引き続き、ボクには合わないモデルとなりましたが、ある意味コンセプトがブレていないってことの証明にもなったかなって思いますw

<PRGR「Carrys Q」UT>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9▽上がりやすさ:9▽操作性:7▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:8▽ミスの許容度:10

■ヘッド:【Q3+、Q3】ボディ&フェース=チタン(Ti-6Al-4V)、ウエート=タングステン合金(Ni、W、Fe)【Q4、Q5】ボディ=マレージング鋼(AM355P)、フェース=マレージング鋼(CUSTOM455)

■ロフトバリーション:Q3+=16.5度、Q3=19度、Q4=20度、Q5=24度

■シャフト(重量/トルク/調子):「Q」(REG= 47g/ 4.7、LIGHT=45g/4.7/中調子)※LIGHTは注文生産

■価格:Q3+、Q3=各1本4万2000円+税、Q4、Q5=各1本3万5000円+税。