どーもです。PRGRの新製品「egg」シリーズの「eggスプーンBLACK」(以下eggスプーン)FWと2本のドライバーを試打できました。今日紹介するのは“元祖ぶっ飛びFW”のeggスプーンですが、すでにアップしている「唐沢ゴルフ倶楽部三好コース前・後編」で実戦投入したモデルですね。その印象を踏まえつつ、試打した印象をレポしたいと思います。では、早速いってみましょう!


まずは見た目から。


ソールを見ただけで先代とは別モノだって分かりますね~!! まず、フェース後部にバックリ口を開けたミゾが存在感タップリ。ちなみに、「SLASH GROOVE」(スラッシュグルーヴ)と命名され、eggスプーンでは初搭載。よ~く見ると左右非対称になっていますが、これはインパクト時の変形をリーディングエッジに集中させるためのようです。そして、そのミゾ後部には68.5gものタングステンウエートを搭載しています。

フェースはコンパクトかつセミディープ。先代に比較すると、確実にコンパクトですね。このフェースですが、トゥに表記されている通りCNC MILLED加工されているようです。このフェースとスラッシュグルーヴによって、高初速を意識しているんだとか!

ボディはファット。先代はクラウンを設定していましたが、新作は初代を思わせるボディに戻っていました。ソールの丸みが、直打ちでの抜けの良さを意識していそうですね。

後ろ姿です。

構えてみるとこんな感じ。これぞeggスプーンですよね!! 紆余曲折を経ての先祖返りでしょうが、初代を見たときの「なんじゃこりゃ!!」を思い出します。でも、今となっては「これだよ!これっ!!」って。現金なものですね~(笑)

今回試打したのはオリジナル製カーボンシャフト「Diamana for PRGR」M-43フレックス装着モデルの15度。スペックは、ロフト角15度、ライ角58度、長さ43インチ、総重量320.9g、バランスD2。ヘッド体積163cm3。シャフトスペックは、重量56g、トルク3.8、中元調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはまずます。グリップもいい感じの太さでした。シャフトを手でしならせてみると、Diamanaの名を冠しているとそれだけでちょっと尻込みしそうですが、実際にはM-43でも結構しなる感じで、フレックス的にはSR~Sのイメージ。しなりポイントは真ん中よりもやや手元側でしたが、ワッグルしてみると結構先が動く感じ。素振りしてみると、想像以上にヘッドが走るイメージで、動き的には先中調子系のようでした。


実際に打ってみて、まず言及しなくてはならないは、“フィーリングの進化”(といっていいのかな?)でしょう。eggスプーンというと、歴代モデルは「パッカーン!!」と甲高く、硬く弾く感じの打感が印象的でしたが、あの感覚がダメな人にとっては、それだけで手を出さないモデルでもあったような気もします。モデルチェンジ毎に少しずつ改良されてきていたようにも思いますが、今作ではついに「これがeggスプーンなの?」という感動的な柔らかさになっていました。硬さは一切感じません。打球音も違和感のない中高音系で、PRGRの底力を感じました。この大きな方向転換の裏に何があったのかはわかりませんが、この進化は“すごい”の一言。また、かなりドライバー然とした弾道が印象的でしたね。ゴルフ体験主義ではご存じの通りFWもティーアップしての試打をしていますが、飛距離は約233y。これはラウンド実戦投入の飛距離とほぼ変わっていませんでした。“元祖ぶっ飛び”FWですが、歴代の純正モデルはシャフトが柔らかめで、HS42~43m/sでもややスピン量多めの印象でしたが、今作は同HSのヒッタータイプでも使えそうな印象に様変わりしていました!!


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら


【3球平均】

HS42.7m/s、初速59.3m/s、打ち出し角15.4度、バックスピン量2636.5rpm、サイドスピン-375.6rpm、飛距離233.9y

【ベスト】

HS43.2m/s、初速59.8m/s、打ち出し角14.7度、バックスピン量2698.6rpm、サイドスピン-348.9rpm、飛距離236.5y


打感は前述通りなので、ここでは割愛します。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら


一応、直打ちの弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら


弾道的には、ティーアップでも直打ちでも高めの中弾道。先代と比較すると球の上がり方は抑えられているイメージで、別モノと思った方がいいでしょう。先祖返りという意味で初代の印象を思い返すと、より上がりやすいかなとは思います。いずれにせよ、弾丸ライナー系のロースピン強弾道が印象的でした。


出球傾向は、ボクのスイングで軽いドロー系。気持ち右に打ち出して戻ってくる感じで、ボク的にはイメージ通りでした。


シャフトフィーリングは、Diamanaの名を冠していますが、このクラブ用にチューンアップされた別モノイのメージ。中元調子をうたっていますが、ボク的には先中調子系イメージでした。でも、そのわりには球の上がり方は今ひとつだったりするので、「やっぱり中元調子なのかな?」ってw


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS42m/s以上は欲しい感じかな。扱いやすさを前面に出した先代に比較すると、結構ハードになった感じもありますが、これはシャフトの味付けかもしれません。M-40モデルを打てていないので、スペックからの想像になりますが、M-40はシャフト自体8g軽量でトルクも5.4とハイトルクなので、上がりやすさや打ちやすさを意識したモデルなのかもしれません。今回「BLACK」の名を冠したのはM-43の設定がよりたたけるヒッタータイプ向けに変わったからかな…なんて邪推しています。男子プロがこぞってテストしているとのうわさをキャッチしていますが、こだわりの強い男子プロをも魅了する実力モデルの一端は感じられました。従来モデルのフィーリングで手を出さなかった人にこそ、今作は試して欲しいモデルです!!

<PRGR「eggスプーンBLACK(15度)」FW>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9.5▽上がりやすさ:9▽操作性:8▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:9

■ヘッド:ボディ&フェース=チタン(Ti-6Al-4V)、ウエート=タングステン合金(W、Ni)

■ロフトバリエーション:13.5度、15度

■シャフト(重量/トルク/調子):「Diamana for PRGR」(M-43=56g/3.8、M-40=48g/5.4、M-37=46g/5.5/中元調子)

■価格:各1本6万3800円(税込み)

■発売予定:2021年10月15日