どーもです。今日紹介するのはテーラーメイドの新製品「Qi10」シリーズのFW、「Qi10ツアー」FWです。ドライバーの「Qi10 LS」モデルに相当するモデルだと思いますが、FW&レスキューは「LS」ではなく「ツアー」の名称になっていました。そしてボクは、ドライバー同様の苦戦でした。「テーラーメイド初代モデのLS&ツアーは難しい」。そんな印象の上書きがされるモデルとなりましたが、早速いってみましょう。


まずが見た目から。


「Qi10 LS」ドライバーに対応するFWだと思いますが、ドライバー同様「Qi10」シリーズとしてはちょっと異質に感じました。ソール後部にスライディングウエートが搭載されていますが、さらにトウ側にもウエートが配置されています。

フェースはセミディープ。形状的には「Qi10」FWとほぼ同じように見えました。

ボディはセミディープ。「Qi10」FWよりもディープで、ソール後部も短め。確実に浅重心を意識したモデルだと思います。

後ろ姿です。こんもり具合は「Qi10」FW同様ですが、その頂点がよりネック側に寄せられているようにも見えました。

構えてみるとこんな感じ。クラウンの投影面積は小さめ。まあ、確実にシリーズでは最小ですね。ソール後部の深さもない感じでした。

なお、3モデル比較はこんな感じ。左から「Qi10 MAX」「Qi10」「Qi10ツアー」です。

今回試打したのは、オリジナルカーボンシャフト「Diamana SILVER TM50」Sフレックス装着モデルの#3。スペックは、ロフト角15度、ライ角57度(STD)、長さ43.25インチ、総重量320g、バランスD2.5。ヘッド体積170cm3。シャフトスペックは、重量60g、トルク3.6、中元調子。


試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽めだけど、まあ許容範囲。グリップはやや細め。シャフトを手でしならせてみると、ドライバーで感じたしっかり感よりもよりしっかり感があって、かなり力を入れないとしなりません。しなりポイントは真ん中よりも気持ち手元寄りあたり。ワッグルしてみても、ヘッドの振れ幅は少なめで「ん~、これはハードそうだな…」とさえ思いました。素振りしてみると、他2モデルよりも手元に重量感がある感じで、振り感も別モノ。


実際に打ってみると、まずは他の2モデルと全く振り感が別モノで、しなり感をほぼ感じません。素振りである程度想像はしていたけど、実際に打ってみて「ここまで違うか…」が第一印象。アジャストに球数が必要でしたが、ある程度打ち込んで分かったのは、意外にもボールの上がりやすさがあること。ドライバーは(ロフト9度を差し引いても)上がりづらく、上げようという意識が必要でした。でも、「Qi10ツアー」FWはこの重量をしっかり振り切れれば、過不足なく上がってくれる印象でした。打点のブレも、思った以上に寛容性が高いイメージもありますが、いかんせんシャフトがハード!! しっかり系なので「たたく」イメージがあると、出球がめっちゃバラけます。ボクにはちょっとハードな味つけに感じましたが、おそらくRフレックスならまた違う印象だったかもしれません。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら

【3球平均】

HS41.8m/s、初速58.1m/s、打ち出し角17.9度、バックスピン量2757.9rpm、サイドスピン-443.0rpm、飛距離231.2y

【ベスト】

HS42.4m/s、初速58.8m/s、打ち出し角17.8度、バックスピン量2861.7rpm、サイドスピン-411.6rpm、飛距離234.3y


打感はマイルド系ですが、サスティン短め&やや低めな音の影響か「ボコッ!!」

みたいで、やや鈍い感じもありました。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックでデータはこちら


弾道的には、これも文句なしの高弾道。でも、「Qi10ツアー」FWの場合は、「この重量を振り切れれば」という条件が付きそうかな。スピン量も総じて少なめ。当然ですが、3モデルでは最も低スピン。打ち出し角高めのロースピン弾道を味わえそうです。


出球傾向ですが、ボクのスイングでドロー系。メンタル要素もあり、曲がり幅は3モデルで最大となってしまいましたが、そのポテンシャルとして、振っていった際に最もストレート弾道が打ちやすそうな感じでした。


シャフトフィーリングと振り感ですが、ぶちゃけしなり感はほぼ感じませんでした。カッチカチの棒を振っている感じで、本物ハードヒッターならシャープに振れそうなイメージです。ドライバーでも相当ハードな印象でしたが、短くなってさらにハードかなって。打っていないので想像にはなりますが、ボクにはRフレックスの方が合うかもしれません。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックで最低でもHS43m/sは欲しい感じ。これはもう、本物ハードヒッター向けですね。スインガータイプが手を出すと、ケガするモデルのような気がします。今回全ての試打クラブをSフレックスで統一していますが、このSはかなりハード!! ここ最近試打したモデルの中でも屈指のハードモデルですが、打てる機会があれば実際に打ってみてください!

<テーラーメイド「Qi10ツアー」FW>

■KAZ'sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9.5▽上がりやすさ:8▽操作性:8▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:8

■ヘッド:ボディ=チタン(9-1-1)+インフィニティカーボンクラウン+スライディングウエート(50g)+トウフロントTSSウエート。フェース=チタン(6-4)

■ロフトバリエーション:#3=15度、#5=19度

■シャフト(重量/トルク/調子):「Diamana SILVER TM50」(S=60g/3.6、SR=57g/4.0、R=55g/4.3/中元調子)。「ツアーAD VF-6」(S=65g/3.3/中元調子)。「SPEEDER NX BLACK60」(S=65.5g/3.8/先中調子)。「Diamana WB63」(S=61g/3.1/元調子)。

■価格:「Diamana BLUE TM50」装着モデル1本6万9300円。「ツアーAD VF-6」装着モデル1本8万2500円。「SPEEDER NX BLACK60」「Diamana WB63」装着モデル各1本8万300円。 ※価格は税込み