6月16日に23歳の誕生日を迎えた女子プロゴルファー永井花奈(デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。今回は、基本的なアイアンの打ち方です。まず重要なのは、アイアンはピンを狙うクラブという意識を持つこと-。その上で大切にしていることを紹介します。

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こんにちは~! 永井花奈です。今回はアイアンの基本的な打ち方を紹介します。

アイアンはドライバーと違い、飛ばすクラブではありません。私はピンを狙っていくクラブだと思っています。なので“飛ばす”必要はありません。アマチュアの方は、アイアンでも飛ばそうと頑張ってしまっている方を多く見ます。アイアンは「飛ばす必要のないクラブ」と意識するだけでも大きく変わってきます。

私にとってアイアンの理想は「打ちたい距離を打てるクラブ」です。その時に大事にしているのは“テンポ”です。スイングリズムの定番と言われる「チャーシューメン」とかありますよね。でも、どれが良いではなく、自分に合ったテンポを見つけることが重要です。

私は「イチ、ニ、サン」のテンポが合っていますが、「イチ、ニのサン」とか、間に“の”が入ったり。「イチ、ニ」だったりと、いろいろなテンポがあると思います。みなさんも練習場などで、自分が気持ちよく振れるテンポを見つけてみてください。

アイアンは狙うクラブ、飛ばす必要はありません
アイアンは狙うクラブ、飛ばす必要はありません

それと、私が意識しているのは軸です。これはアイアンに限ったことではありませんが、特にアイアンは狙うクラブなので、より強く意識しています。背骨を軸にして、なるべく左右にぶれないように回転するような意識を持っています。そこで重要になってくるのは、やはり「アイアンは飛ばす必要のないクラブ」という意識です。

どうしても飛ばそうとすると力が入ってしまい、軸が左右ぶれてしまいます。テークバックからフォロースルーまでの一連の動きは、背骨を軸に回転するようなイメージを持って、リズムよく打ってください。

最後にもう1度強調しておきますが、アイアンは「ピンを狙うもの」で飛ばすクラブではありません。自分が気持ちよく振れるテンポを見つけ、そのリズムで打つためにも、ぜひ実践してみてくださいね!

◆アイアンの種類 大きく分けると「マッスルバック」「キャビティ」「中空(ちゅうくう)」の3タイプ。「キャビティ」は「ポケットキャビティ(ポケキャビ)」など、この10年ほど大きく進化しています。「マッスルバック」は小ぶりで操作性が高い分、ミスヒットの寛容性が低い。「キャビティ」はマッスルバックほどの操作性はないが、ミスヒットの寛容性はより高い。「ポケキャビ」はさらにミスヒットの寛容性が高く、直進性も高くなっている。「中空」は文字通り中が空洞の特殊構造です。アベ100切りを目指すなら「ポケキャビ」がおすすめです。


◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。アマチュア時代は12年「ロレックスジュニアゴルフチャンピオンシップ」12~14歳女子の部で優勝。13、14年は「関東女子ゴルフ選手権」を連覇。14年にはナショナルチーム入り。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。


取材・構成 川田和博

撮影 鈴木正人

協力 飯能グリーンCC(埼玉・飯能市)