あなたの街のプロゴルファー、タケ小山(52)がお届けする毎週火曜日の「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。パッティング編が一段落したところで来週に迫った全米オープンのお話をしましょう。米国内だけでなく、日本、英国で最終予選を行うようになり、参加人数が1万人超を続ける世界一大きなトーナメントのヒミツです。ラウンド中のうんちくに、お酒のさかなに、お楽しみください。


世界一大きなトーナメント「全米オープン」

全米オープンは楽しみ
全米オープンは楽しみ

 ウィスコンシン州エリンヒルズで行われる第117回全米オープン。ここは、06年にオープンした新しいコースで、もちろんナショナルオープンの開催は初めてです。昨年は東の名門、オークモントCC(ペンシルベニア州)、18年はシネコックヒルズ(ニューヨーク州)と、毎年違う地域で行い、プライベートの名門コースとパブリックコースを織り交ぜているのが最近の傾向です。これも、主催のUSGA(全米ゴルフ協会)がゴルフの普及をしっかり考えていることの表れですね。

 ローカル・クオリファイ(地区予選)は米国113、カナダ1の会場で行われ、プロとハンディキャップインデックス1・4以下のアマチュアなら、誰でも出場できます。次がセクショナル・クオリファイ(最終予選)。全米10カ所とイングランド、日本の12会場で行われます。ローカルを勝ち上がった者と免除された者が本戦切符を争います。これをクリアした者と、本戦からの出場権を持つ者を合わせた156人のうち、90人前後が予選からの出場者なのが特徴です。

 さて、優勝予想となると難しい。タイガー・ウッズの全盛期のようにタイガーVS他の誰かではなく、上位の選手の実力が伯仲しているからです。世界ランク40位以内くらいまでは誰が勝ってもおかしくない。特にエリンヒルズはパブリックですから、万人に優勝のチャンスがあると言っていいでしょう。もちろん、中でもマスターズ優勝のセルヒオ・ガルシアや松山英樹を含む世界ランク10位以内が有力なのは間違いありません。

 松山は初優勝したメモリアルのある5月から毎年調子がよくなる上に、日本勢では珍しくベント芝を得意としています。メモリアルの舞台、ミュアフィールドビレッジもペタペタのベント芝。だから、ウィスコンシン州の芝質は合っているので楽しみですね。日本で行われた最終予選から出場する小平智、宮里優作、今平周吾の日本勢がどんな戦い方をするのかも見ものです。


今週の処方箋

全米オープン出場を目指せ!

 当然、毎週、このページを読むこと。そうすればスコアがどんどんよくなり、ハンディキャップインデックス1・4以下も夢ではないかも…。そうすれば、全米オープンの予選に挑めます。夢とばかりは言えませんよ~!!


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子

◆撮影 山崎安昭