アマチュアの石井理緒(15=新発田城カントリー倶楽部)が、7バーディー、2ボギーで通算142、2アンダーの11位タイで予選を通過した。ツアー出場2戦目の新潟・開志国際高1年生が、ベストタイとなる67をマーク。昨年フランスで開催されたエビアン選手権のジュニア大会で優勝した大器の片りんをのぞかせた。

 石井はゴルフ人生で初めての感覚を味わっていた。前半で3連続を含む5バーディー。地元のギャラリーを大いに沸かせた。「カップに吸い込まれるようにパターが入りました」と驚きを隠せない。ツアー初出場だった昨年大会は予選落ち。「とりあえず予選通過が目標だったので、大満足です」と屈託なく笑った。

 父俊さんは新発田市内でゴルフ場「新発田城カントリー倶楽部」を経営する。キャディーを務めた母美和子さんの妹、和美さんはティーチングプロだ。育った環境から当たり前のようにクラブを握ったが、父のゴルフ場のスクールに通い始めた8歳の頃は「嫌々でした」。それでも小学5年生の時「大会で100をたたいたことが悔しくて」のめり込むようになった。

 得意クラブに挙げるドライバーの飛距離は250ヤード、目標の選手はミシェル・ウィー(米国)。「将来はプロとしてエビアンで勝ちたい」と大きな夢を描く。かつては宮里藍も制した大会だ。中京テレビ・ブリヂストン・レディースで同じアマチュアの稲見が優勝争いをしたことも火を付けた。「(勝みなみら)上の人が活躍してるのもすごいと思ったけど、同い年の人が頑張ってて、刺激になりました」と話す。

 実はこの日、兄雄大さんが18歳の誕生日だった。新潟高3年で陸上部に所属する雄大さんも、県大会の8種競技で優勝したばかりというスポーツマン。家族そろって応援に来る予定だったが、兄だけが来られなかった。「いい報告ができます」。ニッコリ笑うと、未知の最終日に備えてドライビングレンジに向かった。【亀山泰宏】