宮里藍(31=サントリー)が、引退発表後初の国内ツアーとなる明日8日開幕のサントリー・レディースでの優勝を宣言した。6日は、会場の神戸市・六甲国際GCで調整後に会見。第1日のペアリングも発表になり、上田桃子(30)、アマチュアの高橋彩華(18)と同組になった。今大会を国内での集大成と位置づけており「とにかく勝ちたい」と優勝への思いを強くした。

 舞台は整った。引退発表後、初の国内ツアー。この日、発表になったペアリングで、宮里と同組になったのは上田だった。1学年下で、米ツアーでも互いに競い合った仲だ。国内で2人が同組になるのは、地元沖縄で開催された10年3月のダイキンオーキッドレディース以来、7年ぶり4度目。これ以上ない組み合わせに、珍しく優勝宣言まで飛び出した。

 「とにかく勝ちたいですね。それに尽きる。思いはシンプル。勝って終わることができたら最高です」

 この日は朝からハーフコースの確認を終えると、練習へ向かう途中の上田に遭遇した。普段は静かな練習日。穏やかな空間に大勢の報道陣を引き連れて熱視線を浴びる宮里の姿に、1歳下の後輩から「えっ? デビュー戦ですか?」と冗談を飛ばされた。そんな上田も5月の中京テレビ・ブリヂストン・レディースで3年ぶりに優勝。その際、年内に優勝できなければ引退を考えていたことを漏らしている。偶然にも2人は同じ心の葛藤を抱えていた。

 「米ツアーを何年も一緒に戦って、一番近い友達。彼女も苦しくて、引退を考えているという言葉が出たのだと思う。それがいい方向(優勝)に出て、個人的には良かったと思います」

 一緒にコースを回った父でコーチの優さん(70)が時折、携帯カメラの動画でフォームを撮影。二人三脚で歩んできた道のりは、最終章を迎える。国内優勝なら09年SANKYOレディース以来。優勝を自らの花道とする。【益子浩一】