堀琴音(21=東芝)がツアー自己ベストを更新する64をマークし、優勝戦線に急浮上した。28位スタートのこの日、5連続を含む9バーディー、1ボギーで通算11アンダーまでスコアを伸ばした。

 兵庫・滝川二高に通っていたジュニア時代から慣れ親しんだコースで会心のプレー。「いや~すごくかみ合いました。ショットは一昨日から良かったけど、パットがしぶいパーパットも含めてよく入ってくれました」。4月21日、フジサンケイ・レディース第1日の65をしのいだ1日を満面の笑みで振り返った。

 引退を決めた宮里藍の出場でわく今大会、第1日の木曜日からギャラリーの多さを感じていた。「女子ツアーが盛り上がっているのは、藍さんのおかげです」。徳島市に住む小学校3年だった04年11月、香川・エリエールGC開催の大王製紙エリエールへ、初めてトーナメント観戦に出かけた。お目当ては宮里。ロープの外から「藍ちゃん、頑張れ!」と声援を送り、色紙を持って行列に並び、きっちりサインももらった。

 3週前の中京テレビ・ブリヂストンで初めて一緒に練習ラウンドを行ったが、その後に電撃的な引退表明。今週の練習日に「ビックリしました」とあいさつしたら「お騒がせしました」とジョークで返された。

 「優しいですよね。私とかでも、そんな風に返事をしてくれるんですから」。憧れの存在の国内出場が最後になるかもしれない大会で、ツアー初優勝のチャンスをたぐり寄せた。「ぜひとも勝ちたい。絶対に優勝を、と思って頑張ります」と気合を入れた。