世界ランク3位の松山英樹(25=LEXUS)が“宿敵”との激闘を制して3度目となる大会を締めくくった。同4位のジャスティン・トーマス(24)を3アンド1で破って今大会初勝利。19-11の大差で米国選抜の7大会連続勝利に終わったが、今季最後の試合で「今できることの限界を出した」と納得のプレーだった。つかの間の休養を挟み、12日開幕のCIMBクラシック(マレーシア)から新シーズンに臨む。

 3勝を挙げてレギュラーシーズンで最もポイントを稼いだ松山と最多5勝で総合王者にも輝いたトーマス。実力伯仲の一戦は、決着の17番まで松山が1イーグル7バーディー、トーマスも8バーディーを重ねた。互いにバーディーで分けたホールも5つ。「今できるベストなプレーができた。今できることの限界を出したって感じです」と少しだけ充実感をにじませた。

 今季何度も優勝を争い、全米プロでは最終日に同組で回り、目の前で初のメジャータイトルをさらわれた相手。今大会もダブルス戦で2度ぶつかり、いずれも敗れていた。「みんながそう(宿敵だと)言ってますけど、僕は気にしてないんで」。冷静に言ったが、周囲の“誤解”を解く意味でも価値ある1勝となった。

 試合後に「体調があまり良くない」と珍しく自ら明かした。それでも、3番ウッドで3メートルに2オンしてイーグルの4番、ドライバーで大きく右に曲げた後の第2打を1・5メートルにつけた6番のスーパーリカバリーなど好ショットを連発。「(ゴルフの)状態は良くない。その中でもちょっとはまれば、いいスコアで回れることが分かった」とうなずく。チームの敗戦に悔しさは募るが、最後にエースの意地を見せた。CIMBクラシックは昨年2位。優勝はトーマスだった。熱い戦いが、またすぐに始まる。【亀山泰宏】