宮里優作(37=フリー)が10バーディー、ノーボギーの10アンダー61をマークし、2位に3打差をつけるロケットスタートを決めた。コース記録だけでなく、最少ストローク、最多バーディー、最多アンダーパーと数々の自己記録を更新。右手首に痛みを抱え万全な状態ではないが、5月以来となる今季3勝目へ最高の滑り出しを見せた。

 面白いようにボールがカップへ消えていく。宮里優は「おかしいな。自分じゃないみたい」とおどけて首をひねり、笑ってみせた。

 7番で6メートルを沈めるなど「すごくいい状態」とうなずくグリーン上は合計21パット。ショットメーカーで鳴らしてきた一方、泣きどころでもあった部分だ。昨季部門別73位に沈むなど06年の19位が最高だった平均パット数で今季3位につけるが「油断すると、すぐダークサイドに落ちるからね」と言ってはばからない。7月の全英オープン後には5月に2試合連続優勝を飾ったパターを「殿堂入り(笑い)」させ、あっさり替えた。ライ角がよりアップライト(垂直に近い)なマレット型にしたことで「ショートパットが良くなった」と手応えを感じている。

 8月に痛めた右手首は「診断を聞きたくない」と病院にも行っていない。スタートホールのティーショットでいきなりラフに入れ、第2打を放った時はしびれるような状態だったというが、痛み止めが効いてきた後半で6バーディーを量産した。シーズン序盤にリードしていた賞金王レースは現在3位。「しばらくくすぶっていたから、そろそろギアチェンジしないと」と力を込めた。【亀山泰宏】

 ◆男子ツアーの最少ストローク 10年5月の中日クラウンズ(愛知・名古屋GC和合C、パー70)最終日に石川遼が出した58。今年は、9月のダイヤモンド・カップ(千葉・カレドニアンGC、パー71)第1日の高山忠洋の62が最少だった。