小鯛竜也(27=フリー)がツアー初優勝に王手をかけた。1打差2位から出ると秋雨の中、5バーディー、2ボギーの69で回り、通算13アンダーの203で単独首位に再浮上した。プロ転向から丸10年の節目の年。第1日でプロ初の首位に立つと、初めて3日間連続で60台をマーク。最終日最終組も初めてと“めで鯛”初ものずくめで好機を生かす。今季4勝目を狙う宮里優作(37)ら3人が1打差の2位につけた。

 初経験に、目をきょろきょろさせた。第3ラウンド終了時点で首位の選手が臨む記者会見。席に座った小鯛は「これ、なんだか怒られるみたいですね」とおどおど。無理もない。第1日にプロ人生初の首位。1度は2位に後退したが、雨の第3日を69で回り単独で首位に再浮上。13番パー4では13メートルのバーディーパットを沈めるなど、堂々としたプレーで大会初出場初優勝に王手をかけた。

 3日連続の60台も、最終日最終組も初めてだ。現在賞金ランク62位で、初の来季シード権(60位以内)も目前。遅咲きの27歳にとって、まさに初ものずくめ。丸10年になるプロ人生は簡単な道のりではなく、07年に17歳でプロ転向もツアー出場まで4年かかった。11年はデビュー戦1試合だけで、12~13年は出場なし。14年は3試合。昨年下部ツアーで結果を残し、今季前半戦の出場権を獲得。今大会は「フォールシャッフル」での出場だった。

 「(首位は)狙ってできるものではないです。明日、最高の形で終わりたい。自分を見失わないようにしたいですけれど、今もう、既に見失いそうです」

 台風22号の接近で今日29日の最終日は雨予報。中止なら初優勝が決まり、決行なら逃げ切りを図る。いずれにしても“めで鯛”初優勝は目前だ。【益子浩一】

 ◆小鯛竜也(こだい・たつや)1990年(平2)2月1日、大阪府生まれ。体育教師だった父の影響で5歳でゴルフを始める。中学3年の04年に日本ジュニア2位。北海道・クラーク高時代の07年10月に17歳でプロ転向も、出場権が得られずツアーデビューまで4年を要した。16年に下部ツアーのNovilカップで初の優勝。178センチ、66キロ。