初の賞金王がかかる賞金ランク4位の小平智(28=Admiral)が1イーグル、7バーディー、ノーボギーの63をマークし、9アンダーで単独首位に立った。03年に室田淳がマークした大会最少ストローク「62」に迫る好スコアでライバルたちにスタートから重圧をかけた。

 小平はビッグスコアにも平然としていた。「平常心で浮き沈みなく、普通にできました」。前半に4連続を含む5バーディー。首位タイで折り返した後半も6番で残り240ヤードから5番ウッドで5メートルに2オンしてイーグルを奪うなど勢いは衰えず、1歩抜け出した。

 同組の石川が苦しんだのと対照的に「(自分は)ドライバーが一番簡単なんです」と真顔で言う。「イメージしたのと逆球さえ出なければ、コントロールできると思っているので」。飛んで曲がらないショットを軸とした充実ぶりには、賞金王を争う宮里優も「今、一番安定感がある」とうなるほど。前日はホテルが一緒だった香妻陣一朗と食事の席で盛り上がり「(今週)予選落ちしたら、ひげを全部そる」と約束したが、そもそも今季唯一の予選通過率100%を誇るだけに、トレードマークを失う心配も限りなくゼロに近い。

 プロアマ戦に出場後、仕事のため帰った妻の古閑美保は展開次第で再び応援に駆けつける可能性もある。何より当初の目標「1日5アンダー」を残る3日間で継続できれば、昨年松山英樹がマークした大会記録(通算23アンダー)を上回る。「貯金があると思わずガンガンいきたい。天候もあるし、まだ気も早いと思いますけど、それを最終目標にしたい」と静かに意気込んだ。【亀山泰宏】