10年ぶり賞金女王へ、上田桃子(31=かんぽ生命)が2位に浮上した。首位と8打差15位から出て2イーグル、5バーディー、1ボギーの64で回り、通算12アンダーの204で同2打差に猛追。賞金ランク6位の上田が女王に立つには残り2戦2勝が条件。一時、約5555万円あったトップとの差を埋めれば、史上最大の逆転劇。全美貞(35=韓国)が通算14アンダーで首位を守った。

 史上最大の逆転劇へ、望みをつないだ。10番パー4。上田は残り120ヤードの第2打をPWで直接カップへ。17番パー5でも2オンさせると、2・5メートルのパットを沈めて2つ目のイーグルを奪った。18ホールでの2イーグルは初。自己ベストタイの64で、首位と2打差に猛追した。賞金女王へはランク6位の上田まで可能性があり、残り2戦2勝した上で他力も必要。簡単ではないが、奇跡を信じる。

 「逆転するには、あと2発くらい満塁本塁打がいる。この大会にはいろんな思いがある。今年もいい思い出を作れるようにしたい」

 06年に初のシード権を獲得し、翌07年には優勝して賞金女王に立った。13年は3位に入り、1度手放したシード権を復活させたのもこの大会。今年も験を担ぐため愛媛の郷土料理であるタイ飯を食べに出掛けた。

 9月の日本女子プロ終了時点で賞金ランクトップとの差は5555万1501円あった。逆転で2度目の女王に立てば、09年横峯さくらの約4389万円差を抜く史上最大額の逆転となる。「昨日もピンに当たったりホールインワンしそうになった」。女王争いは大混戦だが運を引き寄せる力が、上田にはある。【益子浩一】