男子ゴルフの今季日本ツアー賞金王、宮里優作(37=フリー)が来年4月のマスターズ(米ジョージア州オーガスタ)に初出場することが決まった。

 今年の世界ランク対象大会が24日までに全て終了し、31日付の17年最終ランクが確定。50位となり、年末時点の50位以内の資格によって念願のオーガスタ切符をつかんだ。

 約束の舞台だった。父優さん(71)には、幼い頃から「マスターズに連れていってくれ」と頼まれていた。

 かつて自らの結婚式でも「親父を必ずマスターズに連れていきます」と宣言。その父が、メディアからマスターズの現地解説の仕事を頼まれるたび「僕は優作と一緒に行きますから」と断り続けていたことも知っていた。

 8月に倒れ、療養中の優さん。優作は「(知らせを受けて)だいぶ気合が入ったみたい。『もう、18ホール歩けるよ』って言うから『4月まで、まだまだ時間もあるから無理するな』って(笑い)。でも(賞金王に続いて)1つずつ親孝行じゃないけど、喜ばせることができて良かったです」と、ほほ笑んだ。

 日本ツアーの最終戦を勝って逆転賞金王に輝き、続くアジアツアーの最終戦で4位に食い込んでマスターズを引き寄せた。シーズン終盤で驚異的な勝負強さを見せた裏に、もう1つの発奮材料があった。10月のツアーワールド・カップ(愛知)で72ホールノーボギー完全Vを成し遂げた後、松山英樹(25)から電話がかかってきたという。

 「マスターズで待ってます」

 17年大会11位でシード権を持っている東北福祉大の後輩の激励に応える形となり「約束は果たせたかな」と、うなずいた。

 本番前には6度の出場経験がある松山との練習ラウンドで攻略の糸口を探りたい考え。「マスターズは情報がすごく大事になる。英樹は(攻め方も)戦略的だから、すごく参考になる」と話す。

 1月からはマスターズを決める前に予定していた通り、ハワイ、シンガポール、ミャンマー、マレーシア、オーストラリアと海外5連戦を敢行。その後もメキシコ、米本土での世界選手権シリーズを戦って大舞台に備える。

 「(家族を)飽きるくらい連れていけたらいいなって思ってます。来年だけじゃなく『もうマスターズはいいや』ってなるくらい、何年も」

 出場決定の次は、結果を残してみんなを喜ばせる。【亀山泰宏】