小林正則(42=フリー)が6バーディー、3ボギーの69で回り。3アンダーで首位と1打差の4位と好発進した。

 「信じられないですよね」と言った後で「でも、良かったです」と実感がこもる。スタートの10番でカラーからパターで5メートルを流し込み、バーディーが先行した。「貯金ができるのとできないのとでは、全然気持ちも変わる」。12番では契約メーカーであるミズノの加藤昌治専務の目の前でバーディーを奪い、ホストプロの意地を見せて笑顔もこぼれた。

 ツアー通算3勝の実力者も、5年シードを得た13年日本オープン優勝以降は苦しんできた。賞金ランクは14年107位、15年83位、16年96位、17年105位と低迷が続く。長期シードが切れる今季も1月にシンガポールで行われた開幕戦から6試合連続予選落ち。前週関西オープンで初めて決勝ラウンドに進み、これがシーズン17ラウンド目で初の60台だった。「ゴルフはもちろん、身も心もボロボロの状態ですから」とこぼし、第2ラウンドに向けても「全然、楽しみじゃない。『明日よ来るな』『今日で終われ』。そんな感じです」と笑わせる。

 今大会上位4人までが出場権を得られる全英オープンは、プロゴルファーなら誰もが目指す大舞台。「そりゃあ、行きたい。行きたいけど、そんなことを言えるような状態じゃない。1打1打。最終的にそこ(全英)へ行けたらうれしいけど、とりあえず1打1打、1ホール1ホールです」。望外の好スタートにも浮足立つことなく、目の前のプレーに集中する。