秋吉翔太(27=ホームテック)が5バーディー、3ボギーの70で回り、通算1アンダーの287でツアー初優勝を飾った。

 21日の国内予選で初メジャーとなる全米オープン(6月14日開幕、ニューヨーク州シネコックヒルズGC)出場を決めたばかり。7月全英オープン(7月19日開幕、カーヌスティ・リンクス)の切符も獲得し「自分が一番ビックリしてますよ。初のメジャー出場権を1週間で2つも取れるとは思ってもいなかったです」と驚きを隠せなかった。

 ツアー史上最長のモンスターコースに自慢のショット力で立ち向かった。1番でボギー発進も、2番で残り180ヤードから8番アイアンで3メートルにつけてバウンスバック。ハイライトは705ヤードの16番パー5だった。残り171ヤードから9番アイアンで放った第3打が、グリーンを横断する尾根の上に切られたピン横2・5メートルについた。「手前でいいと思ったら風に乗った。1つ間違えれば大きなミス。あれが大きかった」。勝負どころでバーディーを奪い、最終18番も段を上る難しい15メートルのファーストパットをしっかりと寄せ、パーセーブ。ただ1人、4日間をアンダーパーでまとめた。

 最終組のマイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)のパーパットが外れるのを見届けると、仲間たちが待つ歓喜の輪へ飛び込んだ。合宿や練習ラウンドでお世話になり、秋吉自ら「僕はチーム孔明」と名乗るほど慕う15年賞金王の小田孔明ら九州出身プロがウオーターシャワーで祝ってくれた。ずぶぬれになった顔を拭って立った優勝インタビューでは開口一番「秋吉です」と自己紹介。初々しさが残る27歳にとって、大きく道が開けた最高の1週間となった。