06年賞金女王の大山志保(41=大和ハウス工業)が今年初優勝、ツアー通算18勝目を挙げた。

 1番で約5メートルのバーディーパットを沈めた後からガッツポーズを連発。続く2番の2・5メートルのパーパットを決めてもガッツポーズし、自らを応援してくれるギャラリーの鼓舞しながらスコアを伸ばして独走状態へ。2位に4打差をつけ、06年、15年に続く3度目の同大会Vを飾った。「20代、30代、40代でも優勝することができました」とうれし涙を流した。

 頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアで「トーナメント特別保障制度(公傷制度)」の適用を受け、昨年9月から治療に専念。一時は「ゴルフ中継もゴルフ雑誌も見られない。ゴルフ情報を耳に入れたくない苦しい時期もありました」と振り返る。背中の痛みで歩くこともできない状態は今年1月まで続き、練習開始できたのは2月3日だった。ところが同28日に首痛が再発し、試合復帰は先月のほけんの窓口レディースから。8カ月ぶりの試合も、周囲の反対を押し切っての強行出場だったという。

 復帰4戦目で「今週もラインを読む時にまだ痛い。完治はしていない」と明かす大山は「今年は1%(の可能性)でもいいから優勝したいと思っていた。神様に試練を与えられて負けたくない。ラッキーでも何でもいいから優勝できればと思っていた。運が良かったというしかない」と笑顔。16年のフジサンケイ・レディース以来、2年ぶりとなるツアー優勝は忘れられない瞬間になった。