優勝した14年大会以来となる出場の石川遼(26=CASIO)は5バーディー、5ボギーの72と伸ばせず、通算イーブンパーの216で48位だった。

 過去6度の出場でトップ10を外したのは、28位だった10年大会だけという好相性の舞台だったが、上位争いに絡むことはできなかった。スタートの10番でいきなり3パットボギーとするなど、グリーン上で苦戦した。「いきなりグリーンのスピードが変わったので、全くタッチが合わせられなかった。いい感じで打ったなと思ったのが、3メートルオーバーとか、上りでも5メートルのパットを2メートルオーバーしちゃったり…」。今週初めて天候に恵まれ、本来のスピードに近くなったグリーンへの適応に時間を要した。

 懸案のショットについては「全体を通して右め右めという感じで、スライス回転がかかってしまっていた。内容的にはそんなに良くなかった。先々週(3位だったダンロップ・スリクソン福島オープン)に比べると、かなりバラバラ」と表情を曇らせつつ、前進を感じ取る部分もある。

 「今までは(パターンとして)AもあればBもあって、Cもある、みたいな感じ。その度に引き出しを開けて『今日はこれは合わないからこれ』とか『ちょっとミスが出たからこっちにしよう』とか、悪循環だった。今は自分にとって、いいスイングとそうじゃないものの2つだけ。その場しのぎという感じはない」と言った。

 次週は、自ら相撲の地方巡業をヒントに発案したツアー外競技「フューチャー・ゴルフツアー」が10日から広島の鷹の巣GC、12日から岡山の倉敷CCで開催される。プロ2人、トップアマ1人が同組でラウンド。真剣勝負の雰囲気を肌で感じてもらいながら、ジュニアレッスン会も開いてゴルフ界の未来を担うアマチュアのレベル向上を目指すという試みだ。

 広島、岡山ともに豪雨で大きな被害を受けたばかり。深刻な被害に心を痛める中、密に連絡を取り合った現地の意向は「開催する方向でいきたいということでした」。この大会では、かねて選手の獲得賞金の5%をチャリティーに回し、チャリティーオークションを開催する方針だったため「今回、被害に遭われた方に寄付できればと思っています」と話した。