今季の賞金シード権を持つ三ケ島かな(22=ランテック)が、2度目の挑戦で好発進した。5バーディー、ボギーなしの67で回り、5アンダーの5位。来年度から規定変更により、QT(クオリファイング・トーナメント=予選会)はLPGA会員しか出場できなくなる。ツアーで活動するにはプロテスト合格かレギュラーツアー優勝が必要になり“駆け込み受験”で悲願の合格を目指す。大会は4日間72ホールストロークプレーで、上位20位タイまでが合格となる。

 悩んだ末の2度目の挑戦だった。昨季賞金ランク41位でシード権を持つ三ケ島は、単年登録でツアーに出場してきた。これまではプロテストに合格しなくても、QTで好成績を残せばツアーに参戦できたが、今年2月に規定変更になった。

 来年度から受験資格が17歳に引き下げになり、QTはLPGA会員しか出場できない。LPGA会員になるには(1)プロテスト合格(2)レギュラーツアー優勝のいずれかが条件となり、来季に限っては賞金シード権獲得(50位以内)でも正会員とみなされる。

 「来年のシードを取るか、優勝を狙っていたので、本当はプロテストは全く頭にはなかった。でも、無職になるのは恐ろしいから」

 今季、三ケ島の獲得賞金は約797万円で同ランク65位。来季のシード権獲得には、後半戦での爆発的な巻き返しが必要になる。今季はまだQTに出場できるが、テストに合格しない限り、来年度以降プロとして活動できるかは未知数だ。

 「(LPGAの)正会員でなければ、プロとは言えない。あまりゴルフを知らない人に『プロなの?』と聞かれたら説明できない」

 15年に最終プロテストを受けたが、2打足らず不合格。以降、ファイナルQTで5位、1位と好成績を残し、今季の賞金シード権獲得につなげていた。その道は、来年度からは通用しない。

 この日は5番パー4でチップインバーディー。7番パー5ではティーショットを左に曲げ「OBを覚悟した」が、木に直撃したボールがフェアウエーに戻ってきてバーディーを奪った。「神様が降りてきてくれた」。残り3日。幸運も味方にして“正真正銘のプロ”になる。【益子浩一】