桂川有人(20=日大2年)が1イーグル、6バーディー、2ボギーでこの日ベストスコア65をマークし、通算8アンダーの134で単独首位に浮上した。

第2ラウンドの平均ストロークは72・038。元世界ランク1位アダム・スコット(オーストラリア)が75をたたくなど、シビアなピン位置に苦戦するトッププロたちを尻目に日本ツアー初出場のアマチュアがリーダーボードを駆け上がった。ボギー直後の12番でバーディーを取り返し、13番では10メートルのスライスラインを読み切った。14番パー5は残り247ヤードから4番ユーティリティーでピン右5メートルに2オンしてイーグルを決めた。勢いは止まらず、そこからさらに3連続バーディー。6連続奪取に「信じられないパットも決まって、全部がうまくいきました。気付いたら首位でした」と目を丸くした。

高校は通信制のルネサンス豊田高に進み、知人の紹介でフィリピンへゴルフ留学して練習に明け暮れた。「本当にゴルフが強くなりたかったので。その一心でした」。最初は反対していたという母亜紀さんも、現地の環境をチェックすると快く送り出してくれた。現地ではアジアツアーや同下部ツアー、フィリピンツアーにも出場するなど、タフなコースで経験を積んだ。

昨年日本オープンで優勝争いを演じた金谷拓実(20=東北福祉大2年)は同学年。その金谷が前週にはアジア・パシフィック・アマチュア選手権を制してマスターズと全英オープンの切符をつかんだ。「すごいですよね! 本当に目標としている選手の1人。自分も日本オープンで優勝争いをしたい気持ちが強かったので、単独トップはうれしいですし、信じられない状況です」と初々しく喜ぶ。

詳細な記録が残る1985年以降の日本オープンで、首位に立ったアマチュアは89年の大倉清、91年の米倉和良がいるが、いずれも第1ラウンド(R)。第2Rを終えてのトップは桂川が初めてだった。アマチュアVは27年の第1回大会、赤星六郎しかいない。91年ぶりの大記録へ「やっぱり、優勝目指してやっていきたいです」と力を込めた。