令和の新ヒロインだ-。首位から出た安田祐香(18=大手前大1年)が7バーディー、ノーボギーの65で回り、通算11アンダー、277で初優勝し、メジャー切符を手にした。前半から3連続バーディーを奪うなどリードを広げ、昨年覇者のアタヤ・ティティクル(タイ)に8打差をつけるぶっちぎりV。4月のオーガスタナショナル女子アマチュア選手権で3位に入った逸材が、新時代の到来とともに世界に挑む。

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最終18番。安田が約1メートルのパーパットを沈めると、昨年優勝のティティクルから水をかけられる手荒い祝福。これが合図となり、日本代表7人が駆け寄り、祝いのシャワー浴びせた。試合中はポーカーフェースを貫くヒロインも、この時ばかりは笑顔がはじける。平成最後の大会で圧勝。令和へ力強くスタートを切った。「地元で声援してもらっているので結果で返せて良かった。令和の時代は成長する時代にしたい」と誓いを立てた。

ティティクルとの一騎打ちとみられたが1番でともにバーディーを奪った直後の2番(パー4)。ティーショットを右に曲げたが、第2打を約2メートルにつけ再びバーディー。相手がボギーとすると一気に畳み掛けた。3番もバーディーで5打差。前半だけで5つのバーディーを奪い勝負を決めた。「差が広がってきて気持ち的にも落ち着いてできた」と振り返った。

「勝つ準備」で頂点へと駆け上がった。父光祐さんから練習、大会の行き帰りの車の中で、NBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダン氏の名言や自身の考え、勝負への心構えを説かれた。「恐怖は幻想」「結果に一喜一憂しない」…。最高と最悪の場合を考え、しっかり準備することで乗り越える。今大会は第2、3日に天気が崩れる予報だったが、最悪の寒さを想定し、大会前に母美香さんに防寒具を持参するよう頼んだ。寒さで他選手がスコアを伸ばせない中、4アンダーで第3日に首位に立った。

これでエビアン選手権(7月)、AIG全英女子オープン(8月)のメジャー大会、来年オーガスタナショナルの出場権を獲得した。「うれしいし、大きな経験ができる。世界で自分がどの位置にいるか知りたい」。新たな時代は、自分で切り開く。【松末守司】

◆安田祐香(やすだ・ゆうか)2000年(平12)12月24日、神戸市生まれ。3歳上の姉の影響で7歳からゴルフを始める。小学3年から坂田塾に入門。神戸・原田中から滝川二高に進学し、3年時に主将。17年全日本女子アマ優勝後、ナショナルチーム選出。昨年の世界女子アマチーム選手権2位。今春から兵庫・大手前大に進学。得意クラブはショートアイアン。164センチ。血液型はO。

◆安田の今後 次戦は5月3日開幕のパナソニック・レディース(千葉)。24日開幕の中京テレビ・ブリヂストン・レディース(愛知)後は6月25日開幕の日本女子アマチュア選手権(愛媛)に出場。11月にはプロテストを受験する。