石川遼(27=CASIO)が、驚異的な粘りで記憶に残る優勝を飾った。16年8月のRIZAP・KBCオーガスタ以来、3年ぶりのツアー通算15勝目。

プレーオフを制した石川は声を震わせ、優勝インタビューに臨んだ。

「(優勝は)信じられない気持ちです。本当に長かったなという気持ち。途中で僕の優勝はないと思った人がいたかもしれないけど、本当に応援してもらって挑戦者の気持ちでチャレンジしようと(気持ちを)もっていけた。(優勝で)できるんだなと実感できた。本当にいい経験になった。自分が(優勝して)ここに立っていることが信じられない。夢なのかなと。(優勝を)遠く感じていたけど戻ってこれた。先週優勝した星野選手に勝てたことはいい自信になる」と感無量の様子だった。

九州南部で続いた記録的な大雨の影響で、最終日は決勝の2ラウンド(R)分となる過酷な36ホールでの戦いになった。午前8時。首位から出た石川は第3Rの前半に2連続ダブルボギー、後半にも11、12番で連続ボギーをたたき、一時は20位前後まで大きく後退した。

しかし、優勝が絶望的かと思われた時点から、驚異の追い上げを見せた。第3Rの残り3ホールで3連続バーディー。首位と4打差6位で第3Rを終了。

コース上の気温は36度まで上昇。

そのまま続いた第4Rで、石川は同組の黄重坤(ハン・ジュンゴン、韓国)と激しいV争いへと持ち込んだ。

36ホールの長丁場。残り2ホールとなった17番パー3で、黄重坤がティーショットを池に落として痛恨のダブルボギー。石川はパーとし、ついに通算12アンダーの首位で並んだ。

勝負は最終18番パー5へ。一騎打ちとなった石川、黄重坤ともにバーディーを奪って13アンダー。そのまま“37ホール目”となるプレーオフに突入した。

プレーオフ1ホール目パー5。石川、黄重坤ともに2打目でグリーンをとらえイーグルチャンス。ロングパットを決められなかった黄に対し、石川は見事にイーグルを沈めて右手で豪快にガッツポーズ。大声を上げて喜びを体現。涙をぬぐった。