AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(20=RSK山陽放送)が、凱旋(がいせん)2戦目での優勝に近づいた。

7位から出て7バーディー、3ボギーの68で回り通算9アンダー。首位と1打差2位で、18日は最終日最終組に入った。今季2番目の入りとなる観衆9481人が集まり、会場周辺は大渋滞。全英を含む今季4勝目へ。渋野フィーバーは最高潮に達した。同10アンダーの浜田茉優(まゆ、23)が単独首位。

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大観衆が待ち受けた最終18番のグリーンに上がる際、渋野はペコリとお辞儀した。ピンまで2メートル半のバーディーパットを沈めると、会場はお祭り騒ぎになった。1メートル半を沈めた17番に続く2連続バーディー。16番で5オン1パットのボギーをたたき「絶対に残り2つは(バーディーを)取る」と心に決めた通り、ホールアウト時点で首位に浮上。その後に浜田が頭ひとつ抜け出したため、首位と1打差2位で最終日を迎える。

「18番にたくさんのギャラリーさんがいて、そこでバーディーを取れば気持ちいいだろうなと思いました。私はソフトボールをしていたので、団体競技はみんなで勝利を分かち合う。なので(大観衆と喜びを)分かち合いたかった」。

全英から帰国後は多忙を極め、前週は体調不良に陥った。まだ、せきが止まらず、この日の前半はむせる姿も。「りつ子さん(笠)が打つ時に我慢していたら(せきが)爆発しちゃいました」。体調が万全でなくても、ボギーを打っても、必ず取り返す。国内での連続オーバーパーなしの記録は23ラウンドまで伸びた。

「(最終日同組の)原ちゃんを抑えて頑張らないといけない。しっかり伸ばして、優勝を目指したい」。

同じ黄金世代の原英莉花、首位浜田との最終日最終組。現在賞金ランク2位で、勝てば約1500万円差で追うトップの申ジエ(韓国)に迫り初の賞金女王へ近づく。この日は今季2番目に多い観衆9481人が集まり、最終日は1万人超えの可能性もある。強い渋野は、日本の夏をもっと“熱く”する。【益子浩一】