<米男子ゴルフ:ZOZOチャンピオンシップ>◇最終R◇28日◇千葉・アコーディア習志野CC(7041ヤード、パー70)◇賞金総額975万ドル(約10億7250万円)、優勝175万ドル(約1億9250万円)

タイガー・ウッズ(43=米国)が、13年ぶりの日本参戦でツアー82勝目を挙げ、ツアー史上最多勝に並んだ。28日は、前日27日、日没サスペンデットで消化できなかった最終ラウンドの7ホールをこなし、通算19アンダー261。第1ラウンドから首位を守る完全勝利で、偉大なる先人、サム・スニードの記録に並んだ。

◆サム・スニード 1912年5月27日、米バージニア州生まれ。酪農家の5男として育ち7歳の時、木の枝で作ったクラブでゴルフを始める。畑にトマトジュースの缶を埋めたカップ、ポンプや納屋などをハザードにしたミニチュアコースではだしで練習を重ねた。ゴルフ場のキャディーを経て22歳でプロ転向。米ツアーでは36年から65年までに82勝し、「ゴルフの神様」と呼ばれる。

メジャーは全米プロ3勝、マスターズ3勝、全英オープン1勝で通算7勝。50勝目は37歳7カ月で、30代で37勝、40代で17勝と遅咲きだった。38、39、49、50年には賞金王を獲得。79年に米ツアー初のエージシュートをマークし計30回以上記録した。02年5月23日に脳卒中で89歳で死去。身長は180センチ、ストローハット(麦わら帽)がトレードマークだった。

57年には埼玉・霞ケ関CCで開催されたカナダ杯(現W杯)に出場し、優勝した中村寅吉、小野光一(故人)組と争って強烈な印象を残した。中村は「プレーを見て勉強になった人も多いはず。日本のゴルフがこんなに広まったのはスニードのおかげでもある」と述べたことがある。

再び霞ケ関CCを訪れた58年には、エキシビションで260ヤード先のフェアウエー中央にキャディーを座らせ、手の届く範囲にドロー球とフェード球を打ち分け、観客を驚かせたエピソードもある。