鈴木愛(25=セールスフォース)が今季6勝目に王手をかけた。首位で出て7バーディー、ノーボギーと完璧なゴルフを展開。65と伸ばし通算12アンダー、132で単独首位に立ち、2位のガビー・ロペス(メキシコ)に3打差をつけた。

復活優勝を遂げた前週から5ラウンド連続首位キープ。2週連続優勝とともに、逆転賞金女王も見えてきた。渋野日向子は9位から69と伸ばし、通算6アンダーで7位につけた。

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調子が悪いからこそ、1ホール、1ホールに集中した。鈴木は出だしの1番から3連続バーディー。特に2番でピン手前4メートルの難しいラインを決め、波に乗った。前半4つ、後半3つのバーディーを重ねリーダーボードも見ないまま、気付いたら単独首位に立っていた。

「休んでいたので自分に期待していなかった。練習量も戻っていないし、地道にやろうと1ホール、1ホールに集中したのが良かった」と振り返った。左手親指と手首痛で、4大会を休み、2週前のマスターズGCから復活。「ゴルフがいやになった」と、2週間はクラブも握らなかった。

しかし、前週の三菱電機レディースで復活優勝。3日間首位を守っての完全優勝だった。その勢いを今大会にも持ち込み、2日連続首位。「下手くそは練習しかない」と練習に明け暮れていた鈴木が、休んだことで考え方を変え「むしろショットは今の方がいい」。まさに“けがの功名”。新境地で優勝へ突き進む。

過去14勝中、10勝が最終日首位での優勝と逃げ切り型。「国内ではそうだけど、米ツアーではトップ級の選手は最終日に伸ばしてくる。5、6アンダーを狙うつもりでやる」と、自分へ気合を入れた。【桝田朗】