AIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(21=RSK山陽放送)が、21歳の誕生日に東京オリンピック(五輪)を目標に掲げた。

全英制覇の20歳を人生を変えた1年と振り返り、21歳で迎える20年は大目標に突き進む。佳境を迎えた賞金女王争いでは、3バーディー、2ボギーの1アンダーで36位発進。賞金ランク2位の鈴木愛の4アンダーで6位。同1位の申ジエが3アンダーで15位につけた。ユン・チェヨンが6アンダーで首位。

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コース上のむっつり顔が、記者会見場で笑顔に変わった。主催者の伊藤園が差し入れた誕生ケーキで、多くのテレビ、カメラ、関係者に囲まれ即席の誕生パーティー。「今日のゴルフのイライラが全部吹っ飛びました。今までで1番、たくさんの人に祝ってもらって、すごく生まれて良かったと思いました」とシンデレラ・スマイルが弾けた。

会見で激動の20歳を「人生が変わった1年。全英優勝で人生が変わって、それが1番のできごとかな」と振り返った。21歳の1年をどんな年にしたいかを問われ「自分が最初から目標を高く持って、その目標に向かって頑張り続ける。1番大きな目標は東京五輪」と明確に目標を掲げた。

20歳になった時は「大人になることと、がに股を直すこと」が目標のプロの卵だった。それがプロデビュー1年目にツアー初優勝、全英制覇と結果が出るたびに、新たな目標が変わった。21歳になり「もともと人生設計や目標設定が苦手。だけど、大人になるために、しっかり目標を設定したい」と考え、真っ先に浮かんだのが東京五輪だった。全英優勝で世界ランク15位以内に入ったことで、目標に現実味が帯びてきた。すでに「日本でやる大会だから優勝したい」とも口にしていたが、明確な目標設定で、これからやるべきことも具体的に決まる。

21歳で最初に迎える目標の1つは賞金女王。第1日は、鈴木愛、申ジエを相手に1アンダーの36位と出遅れた。「賞金女王になるために足りないものがたくさんあることを痛感させられた」と反省しつつ「明日は自己ベストの63を出したい」と反攻宣言も忘れなかった。【桝田朗】