女子ゴルフツアーのトーナメント会場での不適切発言で日本女子プロゴルフ協会(LPGA)から厳重注意などの処分を受けたプロゴルファー笠りつ子(32=京セラ)が19日、大王製紙エリエール女子オープン(21日開幕、愛媛・エリエールGC松山)の開催コースで涙の謝罪を行った。

笠は報道陣の囲み取材で「私の発言によって、主催者、日本女子プロゴルフ協会、ゴルフファンの皆様に多大なご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げた。

笠によると不適切発言を行ったのは、10月24日、マスターズGCレディース第1日のスタート前。ストレッチのため、開催コースの大浴場の脱衣場を利用した際、常備のバスタオルがなかったことでコース関係者と押し問答になり、発言に至ったという。

発言内容をすでに報道されている「頭が固い。死ね」であったことを認め、押し問答のやりとりは「5分もなかった」という。これまでバスタオルの紛失が目立ったため、コース側が今年から大会期間中の備えをやめたことはその時に初めて知ったとし「すべては自分の精神の弱さから暴言を吐いてしまった」とした。

今回の問題が表面化したことで多くのことを考え直した。「バスタオルがあるのが当たり前と思っていました。たとえばトイレに行けば(手を拭く)ティッシュが置いてあるように。でも、手を洗ったら拭くのは(自分の)ハンカチ、ストレッチをするなら自分で用意したマットなどでする。そういう根本的な考え方が甘かったと思います」。

今後について問われると涙を流し、しばし絶句。「今回の発言で、正直、ゴルフを辞めようと思ったことも事実です。でも、私の周囲の方たちが、朝から晩まで私のために動き回ってくれて…。ゴルフの気力がなくなったけど、逃げてはダメだ。しっかりおわびをして、できることをやっていこうと思うようになりました」とした。

また発言の表面化は、岡本綾子氏がスポーツ紙のコラムで、笠の名前を伏せながら“告発”したことがきっかけだった。笠は「岡本さんのおかげで自分を見つめ直すことができました。すごく感謝しています。本当は今日、お会いできれば(感謝を)伝えたかったのですが…。お会いした時に自分の口から伝えたいです」と話した。

笠は今大会も「一身上の都合」を理由に欠場届を出している。最終戦のLPGAツアー選手権リコーカップの出場権はないため、ツアー活動再開は来季からになる。オフの行事、仕事なども控える方針で「気持ちが100%になれば」と来季に向けての思いを口にした。