女子ゴルフの渋野日向子(21=サントリー)が、前哨戦で日本人初のメジャー連覇の手応えをつかむ。13日開幕のスコットランド・オープン(英スコットランド・ルネサンスクラブ)を前に、12日はオンライン会見に臨んだ。予選ラウンドはスコットランド出身の50歳、カトリオナ・マシュー(英国)と同組で回ることが決定。連覇を狙うAIG全英女子オープン(20日開幕、スコットランド)を09年に制した地元ベテランから、全英と同様な海岸沿いのリンクスコース攻略のヒントを得る。

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初めて経験するバンカーの形状やグリーンの硬さなどに、渋野は驚きの声を連発した。最終調整を前に行ったリモート会見。すでに2日間で計1・5ラウンド回っていたコースの感想を求められ、開口一番「日本には全くないゴルフ場で、見た目から難しさが伝わるなという印象」と語った。さらに「グリーンにノーバンで乗せると転がる。セカンドショットの距離感も大事になる」「バンカーに入れたらダボもある」「ラフが長い。入ったら刻まないといけない」と、矢継ぎ早に初めて臨む海沿いのリンクスコース対策を掲げた。

日本人42年ぶりのメジャー制覇となった昨年の全英女子は、日本と大きく変わらないコースだった。連覇のかかる今年は、リンクスコースのロイヤルトルーンGCで開催。前哨戦の今大会は、格好の腕試しの場となる。渡英してから好天続きだったが、13日からは雨予報。雨風対策もメジャー連覇のカギを握るが「自分らしさを忘れず笑顔でお菓子を食べながらプレーできたら」と笑い、気負いはない。

そんな中、最高の手本となるマシューと2日間、同組で回ることが決まった。マシューも元全英女王だけに「スコットランド出身でリンクスに慣れていると思う。しっかりと勉強できる中で私らしさも出していければ」。攻めの姿勢は崩さない大先輩を参考に、リンクスコース攻略の糸口をつかむ考えだ。

現地は厳重な新型コロナウイルス対策で、ゴルフ場と宿舎を往復するだけの日々だという。「1年ぶりに英国に帰ってきたけど英語は全く上達していない。でも海外の選手と『ハロー』とあいさつして、やっぱり海外はいい」と笑い、海外で結果を残したい意欲は高まった。困難な状況を歓迎するように、一段と笑顔を見せていた。【高田文太】