渋野日向子(21=サントリー)が、今季海外挑戦4戦目で最高の6アンダー、210の24位で大会を終えた。前日と逆の耐える展開も、4バーディー、1ダブルボギーの70。3日間を通しアンダーパーで回り、大きな収穫を手にした。ジョージア・ホール(英国)が12アンダーで、アシュリー・ブハイ(南アフリカ)とのプレーオフを制して今季初勝利、通算2勝目を挙げた。

プレー終了後のしぶこスマイルが、戦いきった充実感を物語っていた。ショットが絶好調だった前日と対称的にこの日はピンチの連続。3番パー4では、パーパットを外した後の「お先に」パットまで外しダブルボギー。表情がこわばった。それでも窮地を何度も耐え、わずかなチャンスを生かして70とスコアを伸ばした。

「お先にパットを外してかなりいらついてしまったが、そのあとノーボギーで回れたことはうれしかったし、3バーディーも取れた。全体的に見たらいいラウンドだった」と笑顔で話した。ショット好調の要因だったリズムを取る「チャー・シュー・メーン」も、伸ばしたい気持ちが上回り、力みとなってスイングを乱した。それでも最後まで気持ちを切らさなかったところに、精神的な成長が見えた。

コロナ禍で、本来の開幕に合わせた調整がうまくいかず、国内開幕戦から英国と3戦連続予選落ち。今週は2週連続予選通過に、3日間通してアンダーパーと、本来の姿を取り戻しつつある。「今週は海外で計4回戦って一番手応えはあった。今日よりも再来週の試合、再来週の試合より全米女子プロ選手権と、右肩上がりに行けるように頑張りたい」。米ツアー挑戦も残り2戦。渋野の言葉にも勢いが戻ってきた。