世界ランク5位畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)が念願のメジャー初優勝へ、ロケットスタートを見せた。首位と6打差10位からのスタートで、1番パー4の第2打を直接放り込むスーパーイーグル。3番もバーディー奪取だ。メジャー出場14戦目。2年前に2位で、夢に最も近づいた大会で10番を終え、4つスコアを伸ばし、首位と4打差の通算5アンダー、逆転Vにチャージをかけた。

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ド派手な滑り出しだった。1番パー4(419ヤード)。打ち上げで、ピンまで残り約180ヤード。畑岡の5番アイアンのショットは、フェアウエーのターフを全く取らず、クリーンにヒットした。ボールはピン手前約20ヤードに落ち、バウンドするとラインに乗り、ジャストインでカップに消えた。

グリーン面が見えない畑岡は「え?」という表情を浮かべた。ギャラリーがいれば大歓声だが、グリーン脇のボランティアの小さな拍手で事実を確認したのか、キャディーのグレッグ・ジョンストン氏と笑顔でハイタッチを交わした。

通算3日間のホール別難易度3位。“出だしの鬼門”でスーパーイーグルを奪い、首位との6打差が一気に4打差になった。

14度目のメジャー。「メジャーだからというのでなく、今年は試合が少ないので“1つでも多く優勝したい”という気持ち」。昨年はメジャー5戦で予選落ち3回、トップ10なし。「メジャーだから、と思いすぎた」と特別感を持たず平常心を心がける。

アウトは1イーグル、2バーディーの31で通算5アンダー。その時点で4打差3位。トータル難易度1位10番パー4はユーティリティーを使ったアプローチで、グリーンのスロープを使って50センチに寄せ、パーセーブする技を見せた。

前日のプレー後「バーディーだけを狙っていきたい」と宣言した通り、スコアを伸ばすことに没頭した。