日刊スポーツでは「モ~進2021」と題し、今年の活躍が期待されるアスリートや芸能人を紹介する。

1回目は女子ゴルフで20年国内ツアー1勝をあげた北広島市出身の小祝さくら(22=ニトリ)。単独インタビューに応じ悲願の地元V達成を誓った。17年のプロ入り以降、道内開催大会には9度出場し、最高は昨年8月のニトリ・レディースの2位。黄金世代の22歳が、強い決意で21年シーズンに臨む。

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道内大会への思いを聞くと、小祝の表情が少し締まった。21年は7~8月にかけて3大会が道内で開催される。

小祝 北海道の大会で優勝したい思いがあります。3つの大会の中で今年こそは優勝を目指して頑張りたい。

目指す場所には着実に近づいている。プロとして17年8月の北海道meijiカップに出場以来、道内大会に9度出場。AIG全英女子オープンを辞退してホステスプロとして臨んだ昨年8月のニトリ・レディースでは最終日まで優勝を争って2位。過去3大会で2度予選落ちしていた大会で優勝にあと1歩まで迫り「後半はチャンスがあった中で決められなかった。悔しい」と漏らした。

周囲の期待はもちろん感じている。「毎年、気合を入れて臨んじゃって逆にダメなんですよ」と分析し、「あまり気負わないようにします。このオフでしっかり修正して、まずはたくさん練習ですね」と平常心で頂点を狙う。

北海道へ帰省するのは大会参加時と年末年始ぐらいだという。実家で飼っている犬や猫と過ごす時間が息抜きになるといい「地元の友達の旦那さんがラーメン屋さんをオープンしたので、そこにも行きたい。おいしいんですよ」と笑顔をみせた。

コロナ禍の影響で20年の試合数が減り、21年は前年との統合シーズンとなる。海外大会出場後は2週間の自主隔離生活となるなど、室内で過ごす時間も増えた。そうした時間も前向きにとらえており「今までゴルフばかりやってきたので、家に長くいることもなかなかなかった。こういう時間も貴重でいいなと思いました」と話す。現在は千葉県内に拠点を置くが、地元愛も忘れていない。「ゴルフを辞めたら北海道にまた戻ってきたいですね。やっぱり住みやすいなと思います」。

現在賞金ランキング4位につけており、「若いうちにとっておきたい」というタイトルも射程圏内だ。昨年は同学年の渋野日向子ら黄金世代と、成長著しい年下のミレニアム世代に刺激を受けながら切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

小祝 今、すごくゴルフ界が盛り上がっているので、そういう時代にプレーできているのは恵まれているなと思います。

21年は3月4日のダイキン・オーキッド・レディース(沖縄)から始まり、道内大会初戦は7月8日開幕のニッポンハム・レディース。無心で努力を続け、小祝が悲願の勝利をつかみとる。【松尾幸之介】

◆小祝(こいわい)さくら 1998年(平10)4月15日、北広島市生まれ。母ひとみさんが宮里藍の大ファンでレッスンに通ったことから、8歳でゴルフを始める。14年に北海道女子アマ選手権に優勝。17年プロテスト合格。本格参戦の18年はトップ10に13回入るなど賞金ランク8位に入り新人賞と敢闘賞を獲得。19年サマンサタバサ・レディースでプロ初優勝。158センチ、58キロ。家族は母と弟。

◆女子ゴルフの21年国内ツアー北海道開催

◆7月8~11日=ニッポンハム・レディース(苫小牧・桂GC)

◆7月22~25日=大東建託いい部屋ネット・レディース(札幌・滝のCC)

◆8月26~29日=ニトリ・レディース(小樽CC)