黄金世代の小祝さくら(22=ニトリ)が21年初戦を制した。首位と2打差3位から出て、68をマーク。14番で10メートルを“壁ドン”で沈めるなど、バックナインで4バーディーを量産して通算14アンダー、ツアー通算3勝目の逆転Vだ。

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小祝は出だしこそボギーを打ちましたが、その後は5バーディー、ノーボギー。まさに盤石の勝ち方。オフにいろんな人のスイングを見てきて、ああいいスイングだな、今年は行けるなと思ったのが小祝1人だけでした。心技体が全部そろっているという印象を受けました。

もともとショットが上手で、パッティングがよくなればどんどん勝てる選手。練習ではロングパットを重点的にやっていました。ロングパットで、手の動きを確認することでショートパットの精度が上がったと思います。高麗グリーンを攻略したことで、今季は他の選手にとって怖い存在になったと言えます。また、辻村明志コーチの指示を仰いで信頼関係もある。同じ門下生の上田も先輩としてチームを引っ張っていて、チームがいいバランスでできている。そんなところも勝因に挙げられます。

敗れた森田も今後が楽しみです。2年ぐらい調子を崩していて、ゴルフがつらいと、苦しいと聞いていました。先週、話する機会があったのですが、手応えを感じているようでした。つらい時期を乗り越え、一皮むけたと思います。

渋野は、スイングは全然悪くない。ゴルフと違う部分でいろいろ取り上げられ、ストレスを感じていると思います。これから試合を重ねていくことによって、もう少しゴルフに集中すれば、落ち着いてできるはず。青木翔コーチからの独り立ちも、本来それは選手が決めること。コーチが選手を選ぶのではなく、選手がコーチを選ぶのです。選手の成長過程で、あまり影響はないと思います。

コーチとして私がみている田辺も頑張りました。まだ経験が浅いので、オフにいろいろ話をして、十分優勝の可能性があるということを本人に言いました。気持ちが先走りすぎて、喜怒哀楽が激しいところもありますが、彼女の良さのショットが光った試合でもありました。

今回はギャラリーが入ったことで、すごくみんながいい表情でプレーしていました。ギャラリーの声援は心強く、パフォーマンスが上がります。これをきっかけに、どんどん観客が入る大会が増えていくことを期待しています。