大岩龍一(23=ディライトワークス)が、65のベストスコアをマークし、各ラウンド終了時では自己最高の2位に浮上した。6位から出て9バーディー、3ボギーで回り、通算7アンダー、206。11アンダーで首位の木下稜介に4打差と迫った。182センチ、92キロの恵まれた体格から、雄たけびを伴うド迫力のガッツポーズを連発。自ら鼓舞する劇場型で“激情型”の新鋭が、初の最終日最終組から逆転でツアー初Vを狙う。

   ◇   ◇   ◇

空手の正拳突きのように右腕を2度、前方に繰り出して1日を締めた。「よーっし!」。5メートル以上のバーディーパットを決めると自然と出るという、ド派手なガッツポーズを、大岩はこの日だけで5度。最終18番はカラーから6メートルをパターで沈めた。直前の17番のボギーを取り返し、初の2位浮上、初の最終日最終組を決める一打に、興奮は最高潮に達した。独特なガッツポーズは「よくダサいと言われます」と笑うが、男子ツアーの新名物となる可能性も秘めたインパクトだ。

前週のミズノ・オープンは、自己最高位の3位だった。「先週からパターが良すぎる」と謙遜するが、今季の平均パット数1・7357は堂々のツアー1位。体格を生かした300ヤードのティーショットと合わせ、大技小技で初優勝の資格は十分だ。ベストスコアの65で首位木下とは4打差だが「(最終日は)ピンポジションも難しくなるし、4打差でもチャンスがないわけではない」と前向き。最終日に再び、18番でガッツポーズを決めるつもりだ。【高田文太】