ゴルフの日本アマチュア選手権は2日、茨城・大利根CC(7121ヤード、パー72)での最終ラウンドが中止となり、前日1日の第3ラウンドまで首位だった、アマチュア世界ランキング1位の中島啓太(21=日体大)の初優勝が決まった。降雨により中断後、コースコンディション不良で中止が決定。54ホールに短縮され、前日終了時点で通算10アンダー、206の中島が優勝、7アンダーの出利葉太一郎(日大)が2位、4アンダーの鈴木晃祐(東北福祉大)が3位となった。石川遼の弟航(日体大)は3オーバーで30位だった。

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この日は午前7時の第1組から、予定通りスタートした。同8時40分には中島、出利葉、鈴木の上位3人が回る最終組が1番をスタート。だが、その後、雨が強くなり、最終組が5番終了後の同10時5分に中断。数日間降り続いた雨により、芝は水を多く含み、コースコンディション回復は難しいと判断され、同11時10分に最終ラウンドの中止が決定した。第3ラウンドまでの54ホールの成績で、順位を決めることになった。中島は6度目の出場で、今大会初優勝となった。

優勝会見では「ゴルフ人生において取らないといけないタイトル。取れて素直にうれしい。プロ転向していくことを考えて、日本アマは取りたいと強く思いました」と話した。今大会は過去3度2位で「地元の練習場のおじさんからは『2位の男』と呼ばれていて」と、笑って話したが、ようやく頂点に立った。

今後は、世界ランキング1位として全米アマチュア選手権に出場することになる。今年、日本人では松山英樹がマスターズ、笹生優花が全米女子オープンと、2人のメジャー覇者が誕生した。さらに兵庫・滝川二高の梶谷翼がオーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権で優勝など、プロアマを問わずに世界で活躍。「日本のゴルフは注目されていると思う。流れに乗るというか、しっかり自覚を持ってプレーしたい。男子ツアーでも活躍している大学生も出ていたので、レベルの高い日本アマに勝って自信を持ってアメリカに行きたい」。全米アマチュア選手権は伝統や、タイガー・ウッズら過去の優勝者の顔ぶれを見ても、世界最高峰のアマチュア大会。ランキングだけではなく、名実共にアマチュア世界ナンバーワンを見据えていた。