3週連続優勝を目指す西村優菜(21=スターツ)が8バーディー、ノーボギーの63で回り、通算9アンダー、133で単独首位に浮上した。63はパー71の18ホールで日本女子オープンの史上最少スコア。2位には2打差で史上3人目の3週連続Vにも前進。通算3オーバー、145までの66人が決勝R進んだ。1日の第2Rを台風16号接近に伴う悪天候のため2日に順延して実施。3日に第3R、4日に最終Rを行う。

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西村が圧巻のゴルフで4107人が詰めかけた会場を沸かせた。首位に4打差から発進すると、出だしの1番から“西村劇場”開演。4メートルのパットを決めると、3、7番とテンポよくスコアを伸ばし、前半最後の9番ではカップ右からほぼ直角に曲がる4メートルの下りラインを読み切り、4つ目のバーディー。観客から大歓声を浴びた。

勢いは後半も止まらない。10番もバーディーとし、前半と同じリズムで12、16番でも伸ばす。締めは難度の高い最終18番。この日最長の6メートルを沈め、歓声の中で右拳を振り、笑顔を見せた。大会新、パー71の設定ではツアー全体でも19年フジサンケイ・レディース第3日で申ジエが出した63に並ぶハイスコア。苦しむ選手が多い中、単独首位に立ち「今日も楽しかったです」と声を弾ませた。

5年前に同じ会場で行われた日本女子オープンにも16歳のアマチュアとして出場し、6位に入っている。しかし、前回と今回で感覚は全く違うという。当時は当たって砕けろ精神で「あまり(ショットが)曲がることも考えてなくて、上がってみたら6位だったという4日間でした」。最も成長を感じているのは、この日のパーオン率トップだったショット力やグリーン周りの技術。厳しい場所にピンが切られていたが「難しいホールはセンター付近に乗せて、狙える傾斜が使えるところは攻めて」と柔軟に対応。88年のツアー制度施行後では07年の全美貞、19年の鈴木愛の2人しか達成していない3週連続Vも視界にとらえた。

大会前は使用頻度が高くなるとみたショートウッドの練習に時間を割き、悪天候で順延となった前日1日はコーチと練習場で初日に気になったスイングを修正。隙のない準備も強さの秘訣(ひけつ)。「メジャー大会は自分の中で高い位置付け。まだ、あと2日間あるので、しっかり頑張りたい」。ツアー最小兵150センチの西村が、大きな称号へまた1歩近づいた。【松尾幸之介】