通算5勝の勝みなみ(23=明治安田生命)が1イーグル、2バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダー、204で単独首位に立ち、初の国内メジャー制覇へ王手をかけた。日本ジュニア、日本女子アマ、日本女子オープンローアマに続く4冠達成となれば、宮里藍、諸見里しのぶに続く史上3人目の快挙になる。1打差2位に西郷真央(19)、2打差3位に3週連続優勝を狙う西村優菜(21)。渋野日向子(22)はベストスコア66で5打差6位に浮上した。

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勝が初の国内メジャー制覇へ大きく近づいた。首位に1打差の2位から出て迎えた5番パー5。グリーン手前約10ヤードから58度のウェッジで放った第3打がピン手前1メートルに落ちる。「良い感じでクラブも抜けてくれて、スピンもきいて、あのアプローチは自信になりました」。ボールはそのままカップへ吸い込まれ、チップインイーグルとなった。

納得の1打で波に乗ると、最終18番パー4でも見せ場を作る。同じウェッジを握り、ピン手前15ヤードのフェアウエーから放った第3打が決まるチップインバーディー。「狙いにいったアプローチだったので、ちょっと鳥肌が立ちました」と振り返る一撃で、単独首位を守った。

勝ちたい理由がある。今大会では17歳だった15年にローアマを獲得しており「当時から特別な大会だと思っていた」。14年日本ジュニア、15年日本女子アマも制しており、今大会に勝てば宮里藍、諸見里しのぶに続く4冠達成の快挙。しかし、ローアマ獲得以降も毎年出場を重ねるが思うような結果は残せず「正直この大会では悔しい思いをしたことが多いので。本当に勝ちたい。その一言ですね」。海外志向のため、優勝で得られる国内ツアーの3年シード権に魅力を感じており「一番欲しいなと思っている。頑張りたい」と力を込めた。

難しいピン位置や強風で66人中7人しかアンダーパーがいない中でもスコアを伸ばし「成長を感じた1日でした」と充実感もにじませる。ルーティンなどは持たない主義だが、今週は「すごく食べたくなって、夜ご飯はチーズと卵をたくさん食べてます。カマンベールが好き」と笑顔で明かした。これも余計な緊張を感じず、自然体で臨めている証拠。「上位で戦える状況を素直に楽しんで、悔いのないゴルフをしたい」と最終日に全てをぶつける。【松尾幸之介】

◆日本ゴルフ協会(JGA)主催大会 通常、国内女子ツアーは日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公認大会が大半を占めるが、今大会はJGAが主催する年間唯一の公式競技で、4つある国内メジャーのひとつにもなっている。JGAは日本ジュニア、日本女子アマも主催しており、日本女子オープンのローアマも加えた4冠を達成者は宮里藍と諸見里しのぶのみ。勝は14年に日本ジュニア優勝、15年に日本女子アマ優勝と日本女子オープンのローアマを手にしており、今大会を制すれば3人目の4冠達成の快挙となる。