代名詞の笑顔に涙を加えて、強いしぶこが帰ってきた! 渋野日向子(22=サントリー)がプレーオフの末に逆転で、19年11月の大王製紙エリエール・レディース以来、約2年、686日ぶりの復活優勝を果たした。

正規の18ホールは首位と2打差の5位から出て、6バーディー、2ボギーの68。通算10アンダー、206。木村彩子、佐藤心結、ペ・ソンウ(韓国)とのプレーオフを2ホール目で制した。オフのスイング改造への批判も「見返したい」との反骨精神で、日米通算6勝目を挙げた。

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<渋野の20~21年の苦闘>

◆20年6月26日、国内開幕戦予選落ちに「オフにやってきたことが、全て意味なかったんじゃないかと思うような内容でした」。

◆同8月21日、全英女子オープン予選落ちに「足りないところを全部見つけた気がする。いつまでも経験と言っていられない」。

◆同9月13日、ANAインスピレーション51位となり「本当に情けない。安定感がない。爆発力もない。飛距離もスピン量も。本当に足りないものばかり」。

◆同10月11日、全米女子プロ選手権58位。メジャー女王の肩書を「もうその名前は捨てていいと思う」。

◆同10月31日、国内復帰戦で予選落ちに「何回この悔しい思いを経験したらいいんだろう。去年がうまくいきすぎた。去年の自分と比べたら前に進めない。でも比べてしまう自分が本当に情けない。去年の自分にすがっても仕方ない」。

◆同12月14日、全米女子オープンで最終日に首位陥落で4位。「米ツアーに行きたい気持ちが強まった。この悔しい気持ちは米ツアーでしか晴らせない。絶対にここでまた戦いたい」。

◆21年6月27日、全米女子プロ選手権最終日。単独5位以上なら世界ランキングで稲見を上回り、東京五輪代表入りだったが40位。「出られないのはすごく悔しいですが、自分の今できることはやり切った」。

◆同8月22日、全英女子オープン最終日前半を首位で折り返したが大失速で34位。「前に進んでいると自分に言い聞かせている」。