東京五輪銀メダリストで賞金ランク首位の稲見萌寧(22=都築電気)が、6バーディー、1ボギーの67で回り、通算6アンダーで終了時点で首位と1打差の3位に浮上した。

1アンダーの24位からスタートした稲見は、開始1番パー5で第3打をピン手前2メートルにつけバーディー。続く2番でもアプローチをピン右2メートル、3番パー3でも第1打をピン奥1メートルにつけ、3連続バーディー。腰痛のため前週の試合を欠場したとは思えない、精密機械のようなショットとパッティングで、前半だけで5バーディー。後半11番でこの日初めてのボギーをたたいたが、14番にバーディーを取り返し、6アンダーでフィニッシュした。

会見では「(腰の状態は)昨日より悪化して、今日の朝は練習場で打てなくて、プレーができないかな、回りきれるか心配だった」と打ち明けた。ラウンド前と折り返し点で2度痛み止めをのみ、プレー中も、ティーショットを打ったあとに、ティーグラウンドの横でしゃがみ込んで痛みを抑えたりしていた。「痛みは言葉ではいい表せないほど、1カ所ではなく広範囲でズキズキしたり、固まって動かない感じがしたり」と痛みの状態を説明した。

そんな中で、全英女子オープン覇者の渋野日向子や、全米女子オープン優勝の笹生優花と同じ組で、移動中は笑いが絶えないほど、楽しそうに回っていた。痛みとの戦いの中で、仲の良いメンバーとのラウンドが精神的な支えにもなり「楽しく回れたのが良かった」と話した。

残り4試合で賞金女王争いは、2位古江彩佳、3位小祝さくらとの激しい戦いが続くが「残り2日。自分の中ではあと2日、最後まで回り切れたら。賞金女王がメインで頑張るわけではなく、目の前の試合に集中するのがいっぱいいっぱい」と悲壮な決意を口にした。