畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)が、日本人2人目の米女子ツアー賞金女王を、1打差で逃した。4人が並ぶ首位から出て9バーディー、1ボギーの64と8つ伸ばして回り、通算22アンダー、266。だが9つ伸ばし、23アンダーとした高真栄(韓国)が連覇を達成し、優勝賞金150万ドル(約1億6500万円)を獲得。87年岡本綾子以来の快挙はならなかった。最終戦2位で賞金48万ドル(約5280万円)を加え、今季は自己最高の賞金ランキング3位で終えた。

     ◇     ◇     ◇

34年ぶりの快挙まで、あと1打が遠かった。女子ゴルフ史上最高額の優勝賞金を懸けた今季最終戦。畑岡は序盤から攻め続けた。2番パー4で、第2打を1メートル足らずにつけて最初のバーディー。3番パー4は、5メートルのパットを決めて連続バーディーとした。だが伸ばしたいパー5の6番でボギー。対する高が1番のバーディーからロケットスタートで、3打差を追って折り返すと、最終18番で2打差を1打差に縮めるのがやっとだった。「8アンダーを出して勝てないならしょうがない」と、潔く話した。

それでも賞金ランキング3位は、18年と昨年の5位を上回る自己最高だった。何よりもスタート時点で首位に並んでいた、世界ランキング1位のネリー・コルダ(米国)、同2位の高を相手に最終組で堂々の優勝争い。「最終戦にふさわしい戦いだったと思う。今、LPGA(米女子ツアー)を引っ張る2人と一緒に回ることができ、すごく財産になる」。世界8位以上の存在感と実力を示した。

今年はプレーオフの末、笹生に敗れて2位となった全米女子オープン、アマチュア時代から目指しながら9位に終わった東京五輪など悔しい敗戦が多かった。だが同じ敗戦でも、最終戦は胸を張って終えた。「メジャーを取りたいという気持ちは変わらない」。早くも来季を見据えていた。

◆日本人の米女子ツアー賞金ランキング 87年に岡本綾子が、米国人以外としては初めて賞金女王となった。その岡本以降、今回の畑岡の3位は、09年の宮里藍に並ぶ日本人歴代2番目の高順位。年間賞金ランキングで日本人がトップ10に入ったのは、90年以降では小林浩美、宮里、畑岡、笹生優花の4人。小林は93年8位、宮里は09年3位、10年6位、11年8位、12年5位と4度あり、畑岡が18、20年の5位に次ぐ3度目。笹生は今年6位となった。