国内女子ゴルフツアー開幕戦ダイキン・オーキッド・レディースが3日、沖縄・琉球GC(6590ヤード、パー72)でスタートする。開幕前日の2日は練習ラウンドが行われ、昨季賞金女王の稲見萌寧(22=Rakuten)は調整後、会見に出席。絶対女王らしいこだわりを見せた。

多くのプロがテーラーメイドのステルス、キャロウェイのローグSTなど話題の新作ドライバーを手にしても、稲見は揺らがなかった。練習ラウンドは、キャロウェイが20年に発売したマーベリックで回った。モデルで言えば2世代前。それがボール契約を結ぶブリヂストンのツアーB XSを使う時、最もしっくり来る。「(各メーカーの)新しいのは全部試しました。でも、最終的に今使っているボールとの相性が少し合わなかった」と説明した。

好きなクラブを使うため、特定メーカーと契約していない。「仮にボールを変えたら“こっちの方が距離は伸びるかな”というモデルはありました。でも、私は思い描いた球が打てないとダメ。100%じゃないとダメ」。2季連続パーオン率1位を誇るショットメーカーには譲れない一線がある。

シーズン9勝と大活躍したオフは、多忙を極めた。トレーニング、練習の虫が昨年12月、1月は予定した10分の2ほど、2月も半分以下しか動けなかった。しかも、昨年から苦しむ腰痛の影響で自重以外のトレーニングは医者に止められた。「痛みは全然ない。検査をしても悪くはならないと言われている。けど、やりたかったことができなかったので、そこはすごく不安ですね」。現時点のショット、スイングの仕上がりは「30~40%」だ。

見切り発車でシーズンに入る。なおさら、確信が持てる部分は崩せない。「シーズンに入ったら、やるしかない。目の前のこと、まずはどこでもいいから1勝したいですね」。堅実に1歩ずつ、調子を上げ、強さを見せるつもりだ。