国内女子ゴルフツアーは今日3日、ダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)で開幕する。昨季9勝で賞金女王の稲見萌寧(22=Rakuten)は2日、練習ラウンド後に会見。多くの有力プロが話題の新ドライバーを投入する中、2世代前のモデルのまま戦う姿勢を見せた。2季連続パーオン率1位のNO・1ショットメーカーらしいこだわりで、今季も絶対的な強さを求める。

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テーラーメイドのステルス、キャロウェイのローグST…。多くのプロが飛距離アップなどが見込めるとされる新ドライバーを手にしても、稲見は揺らがなかった。「(各メーカーの)新しいのは全部試しました。でも、最終的に今使っているボールとの相性が少し合わなかったので」と説明した。自分に最も適したクラブを選ぶため、特定メーカーと契約していない。現在の最善の選択が、キャロウェイが20年に発売したマーベリック。昨季と同じ2世代前の旧モデルだった。

「“こっちの方が距離は伸びるかな”というモデルはありました。でも、思い描いた球が打てないとダメ。100%じゃないとダメ」。使用球は契約を結ぶブリヂストンのツアーB XS。2季連続パーオン率1位のショットメーカーは、スピンコントロールに優れたタイプを選ぶ。クラブとボールで最高の結果につながるものを-。絶対女王の信念が、そこにある。

22年開幕は万全と言いがたい。多忙を極めたオフ。予定したトレーニング、練習は昨年12月と1月で10分の2ほど、2月で半分以下しか積めなかった。昨季からの腰への不安は「痛みは全然ない」と言うが、医師から自重以外で負荷をかける行為を止められてきた。「やりたかったことができなかったのが、すごく不安です」。仕上がりは「30~40%」とこぼした。

稲見は「やるしかない。目の前のこと、まずはどこでもいいから1勝したい」。できる範囲で1歩ずつ、長いシーズンを歩いて行く。【加藤裕一】