堀琴音(26=ダイセル)がツアー2勝目に王手をかけた。瞬間最大13・4メートルの強風が吹く中、日没順延からの競技再開後に第1ラウンド(R)の残り4ホールで2バーディーを奪い69。第2Rは5バーディー、1ボギーの68で通算7アンダー、137とプロ通算186戦目で初めて最終日前の単独首位に立った。昨年7月ニッポンハムレディース以来の歓喜に挑む。1打差2位に高橋彩華(23)、3打差3位に上田桃子(35)葭葉ルミ(29)が並んだ。

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【写真特集】上田桃子、堀琴音、西村優菜ら/女子プロ第2日

風のプレーは得意じゃないが、堀琴は快調だった。午前7時45分再開の第1R残り4ホール、第2Rともにスタート2連続バーディー。長い1日を通算7アンダーの単独首位で終えた。「すごい風で大変でした」と苦笑いした。

シード落ちした18年からのスランプを乗り越えた要因の1つに、ドローからフェードへの球筋変更がある。「ショットの曲がり幅が減った。ドローよりイメージが出やすくなった」。体も変わった。14年のプロ転向時、体重51キロだったが「細い」と言われたくなくて公式サイズに53キロと記した。今は56キロ。強くなった心技体が、強風を克服した。

相棒のためにも勝ちたい。米男子ツアーの小平智のエースキャディーでもある大溝雅教氏(56)に2週連続でバッグを託す。「よくわかんないことが多いおやじギャグ」で癒やされ、この日は「こんだけ吹いたら、風はわかんないよ」と割り切る心を与えてくれた。「昔から担いでいただいてる。本当に一緒に勝ちたい」と言う。プロ転向後、16年10月富士通レディースで1度だけ最終日を首位で迎え、3位に終わった。単独首位では初。「一番上だけど、追いかける気持ちで行きます」。絶好のチャンスは逃さない。【加藤裕一】