畑岡奈紗(23=アビームコンサルティング)が、2位に5打差をつける独走で、米ツアー6勝目、日米通算11勝目を飾った。

「米女子LAオープン」スコア>>

首位から出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの67と4つ伸ばして回り、通算15アンダー、267。前週まで今季は8試合で1度もトップ10入りがなく、前週は今季初の予選落ちを喫していた。そこから立て直し、1カ月余りと迫った今季のメジャー2戦目、昨年はプレーオフの末に2位だった全米女子オープン(6月2日開幕、米ノースカロライナ州)に向けて、勢いをつける勝利となった。10アンダーのハナ・グリーン(オーストラリア)が2位となった。

出だしの1番パー4で、長いパットを決めてバーディー発進した。パットが好調で5番パー4もロングパットを決めてバーディーを奪い、6番パー4では長いボギーパットを残したが、これを決めてダブルボギーを回避。3度の長いパットを決めるたびに、右手を力強く握り締めた。アイアンショットも好調で、ともにパー3の4、7番は、ティーショットを1メートル足らずにつけてバーディーを重ねた。

後半はパーセーブを続け、15番パー5で勝利を大きく引き寄せるイーグルを奪った。2オンに成功すると、10メートルのイーグルパットを沈め、振り下ろす形で大きく右手でガッツポーズ。勝利を確信したように笑顔でうなずいた。最終18番パー3は、ティーショットでグリーンを外し、難しいアプローチを残してボギー締めとなったが、大量リードを逆転されるには至らず。勝利の瞬間、大きな歓声と拍手に、右手を上げて応えた。直後には待っていた古江彩佳やスタッフらに、ウオーターシャワーで祝福され、満面の笑みを見せた。

ホールアウト後は「朝、すごく緊張していたんですけど、1つバーディーが来てからは、すごく自分のゴルフに集中できた。最後はボギーにしてしまいましたけど、差をつけてこの18番に来ることができたのは大きかったと思います。15アンダーを目標にしていたので、それが達成できたのでよかったんじゃないかと思います」と、声を弾ませて振り返った。「先週の予選落ちから、1週間でこんなに変わるんだというので、自分を信じてやってきてよかったと思いますし、このタイミングで優勝できたのは大きいと思います」と続けた。表彰式では英語でスポンサーやファンへの感謝を述べるスピーチを行い、再び大きな歓声と拍手を浴びていた。

【畑岡の米女子ツアーV】

▽18年 アーカンソー選手権、TOTOジャパン・クラシック

▽19年 起亜クラシック

▽21年 マラソン・クラシック、アーカンソー選手権

▽22年 DIOインプラントLAオープン

◆畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日、茨城県笠間市生まれ。母親の影響で11歳でゴルフを始める。17歳だった16年10月の日本女子オープンで、史上最年少優勝を果たしプロ転向。日本女子オープンは17年に連覇するなど3勝。17年から米ツアーを主戦場とし、18年6月に初優勝。昨年は全米女子オープンでプレーオフの末に2位で、東京五輪9位。米ツアーはこれで6勝目、日本ツアー5勝(うち国内メジャー4勝)。茨城・ルネサンス高出。158センチ。