畑岡奈紗(23=アビームコンサルティング)が、2位に5打差の独走で米ツアー6勝目、日米通算11勝目を飾った。4打差の首位から出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの67と4つ伸ばして回り、通算15アンダー、269。98年度生まれ「黄金世代」の中でも、先頭を走り続ける日本のエースが、今季の米ツアーで、日本勢最初の優勝をつかんだ。他の日本勢は、笹生優花が3アンダーで17位、古江彩佳が2オーバーで43位、渋野日向子が6オーバーで63位となった。

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畑岡にとって今回は、総合的な成長を実感する優勝となった。

「4年ぶりにウィルシャーCCでプレーしたけど、4年前のイメージは悪かった。まさか今週、ここで勝てるとは思わなかったので自信を持っていきたい」

18年4月にウィルシャーCCで行われた、ヒューゲルJTBC選手権は19位と成績自体は悪くなかった。だがツアーからあてがわれたホテルは、深夜も騒がしいロサンゼルスのダウンタウンに位置。洗濯機を探し、走り回った苦い思い出がある。

それが今はフロリダ州に家を構え、西海岸で行われる今大会などは、一軒家を借りて生活するのがパターンとなった。今季のメジャー初戦、シェブロン選手権の際に借りた家は、しっかりと泳ぐこともできる15メートル四方ほどのプール付きだった。拠点ができ、常に同行する母博美さんの手料理に舌鼓を打つ。

「ストレスがないと言ったらうそになるけど、家も決まって落ち着いてきた」

米国仕様ではあるが、日本とほぼ変わらない生活が畑岡を支える。

今後は2週間オフに充てる予定だ。

「少し体を休めて、もう1回トレーニングと練習をしたい。しっかりピークを合わせられるよう準備をしていきたい」

4年前は日々の生活も四苦八苦。今は昨年の雪辱を期す全米女子オープンに、照準を合わせるようになった。

 

◆畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日、茨城県笠間市生まれ。母親の影響で11歳でゴルフを始める。17歳だった16年10月の日本女子オープンで、史上最年少優勝を果たしプロ転向。日本女子オープンは17年に連覇するなど3勝。17年から米ツアーを主戦場とし、18年6月に初優勝。昨年は全米女子オープンでプレーオフの末に2位で、東京五輪9位。米ツアーはこれで6勝目、日本ツアー5勝(うち国内メジャー4勝)。茨城・ルネサンス高出。158センチ。