日本人初のメジャー2勝目を目指す松山英樹(30=LEXUS)が56位と出遅れた。今季のメジャー第2戦を1バーディー、3ボギーの72で2オーバー発進。5アンダーの首位ロリー・マキロイ(英国)に、7打差をつけられた。他の日本勢は稲森佑貴が同じく72で56位、香妻陣一朗が73で78位、星野陸也が74で99位、金谷拓実が77で130位、木下稜介が79で150位。交通事故から復帰2戦目のタイガー・ウッズ(米国)は74で99位。

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不満や怒りを通り越し、松山は苦笑いを浮かべた。パーオン率61.11%、フェアウエーキープ率50%。ホールアウト後、持ち前のショットが低迷した点を問われると「イライラし過ぎて、ちょっとコメントが見つからない」と本音を漏らした。さらに「いいショットも1回もなかったし、いいパットも1回もなかった」「最悪です」と続けた。

前半の14番パー3のティーショットで、グリーンを外してボギーが先行した。直後の15番パー4で、第2打を1.5メートルにつけて取り返したが、これが最初で最後のバーディー。すぐに16番パー4で、ティーショットを右ラフに入れて再びボギーを先行させると、最後まで苦しい時間が続いた。

今大会は16年4位、17年5位と優勝に迫り、過去9度出場で予選落ちが1度もなく相性が良い。加えて前週は、最終日だけで10アンダーをマーク。18位から3位に浮上と勢いもあった。昨年のマスターズに続くメジャー2勝目の期待は高まり、米ツアー公式サイトの優勝予想も9番手に名を連ねた。だが開幕2日前の17日に首痛を発症。「影響はない」と言い訳しなかったが、3月にも首周辺の別部位を痛め、欠場や棄権が1カ月も続いた。勢いにブレーキをかけた形となった。

首位とは7打差をつけられた。だが米ツアー通算8勝のうち、第1ラウンドから首位に立ったのは1度だけ。追い上げこそ松山の真骨頂といえる。「もうちょっとショットを安定させないと苦しい戦いになる。パットは悪くはない。もう少しだけ良くなるようにしたい」。わずかな乱れが修正されれば、浮上できる予感を、誰よりも感じていた。

○…72で回った稲森が、松山と並ぶ56位で日本勢最上位につけた。1バーディー、3ボギーで2オーバー。国内ツアー6シーズン連続フェアウエーキープ率1位で「日本一曲がらない男」の異名を取る、正確なショットが健在だった。フェアウエーを外したのは1度だけ。キープ率92.86%は、ヒコック(米国)の100%に次ぐ2位だった。「2日目はもっとバーディーを取りたい」と力を込めた。